チャイナ・ウォッチャーの視点

2013年5月22日

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 中国共産党の機関紙、人民日報は5月8日付の紙面で、沖縄県の帰属は今も未定であり、琉球問題は再び議論できると主張する論文を掲載した。沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる問題で、日本をけん制する狙いだろう。日本の各メディアは大きく転電し、日本政府は厳重に抗議した。

 中国のネット上では「沖縄は中国の一部だ」「沖縄を取り戻せ」といった勇ましい書き込みが相次ぐ。果たして、中国は尖閣諸島を奪った後、沖縄まで“奪還”しようとするのか。論文の真意や琉球の地位未定論が出てきた経緯を検証しながら、中国指導部の思惑を探った。

「釣魚島問題を整理する」
「琉球再議論」を主張

 論文は「『馬関条約』(下関条約)と釣魚島問題を論ず」(約4600字)。政府系シンクタンク中国社会科学院の張海鵬氏と李国強氏の共著で、シリーズ「釣魚島問題を整理する」の第1回。人民日報第9面「重要ニュース」のページの半分を占める長文だ。

 後半3分の1の「三、釣魚島と日清戦争及び“沖縄処分”」の部分では、「琉球王国は独立国家であり、明清の時期は中国の属国」「日本は武力によって琉球王国を併呑」「清政府は琉球処分に直ちに抗議し、琉球問題は日中間の懸案となった」と記述した。

 論文の末尾では「馬関条約調印にあたって、清政府は琉球問題を再び提起する能力はなく、台湾及び付属諸島(釣魚島を含む)、澎湖諸島、琉球を日本に奪われた」「(日本が受け入れた)カイロ宣言とポツダム宣言に照らせば、台湾とその付属諸島(釣魚島を含む)、澎湖諸島を中国に返されなければならないだけでなく、歴史上未解決の琉球問題も再び議論できる時になった」と述べた。

論文を材料に政府は対日けん制

 日本の外務省は8日、論文について「仮に論文が中国政府の立場を示しているなら断固受け入れられない。厳重に抗議する」と中国側に伝えた。中国側は「記事は研究者個人の資格で執筆した」と回答し、中国外務省の華春瑩副報道局長は9日の定例記者会見で「抗議は受け入れられない」と突っぱねた。

 華副局長は会見で、沖縄の主権について「中国政府の立場に変化はない」と述べ、政府としてはこれまで通り沖縄の帰属未定を主張する考えがないことを暗に認める一方、「学界の長期の関心事だった沖縄、琉球問題が再び突出してきたのは、日本側が釣魚島問題で絶えず挑発的な行動を取り、中国領土の主権を侵犯しているからだ。論文は、釣魚島と関連する歴史問題に対する中国民衆と学界の関心と研究を反映している」と論文を材料にして日本をけん制した。

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