2024年5月22日(水)

田部康喜のTV読本

2022年10月30日

 しかし、バグ探しに疲れて、眠ってしまった海の代わりに、ゲームを続けて「最終のゴールまでいくのは難しいゲームなので、バグがあるとすれば、最後のほうかな?」といって、ゲームを進め、海にヒントを与える。

 ついに、海はバグを発見して、「ジョン・ドゥ」としての那由他と出会う。そして、海が、大好きなミニチュア玩具を作っている「アトム玩具」の跡継ぎだったことを知って、一緒にゲーム作りをすることになる。アトム玩具の社員になったのである。

もうひとりの「ジョン・ドゥ」の行方は

 第2回(10月23日)で海は、ゲームカフェの主人から、「ジョン・ドゥ」は2人組であり、もうひとりが、隼人(はやと:松下)であることを知らされる。隼人はなんと、自分たちのゲームを盗んだ形のSAGASの社員だった。

 新しいゲームのアイデアは素晴らしいが、制作にてこずっている那由他をみて、相棒として隼人が必要だと、海は考えた。

 親友を死に追いやった、SAGASに入社した隼人を那由他は、心底嫌っていた。「金儲けや出世のためさ」と。しかし、隼人の入社という伏線は、一気に真相が明らかになる。

 「ジョン・ドゥ」の6年目の新作として、SAGAS社長の興津は、隼人にプロジェクトを任せることにした。契約は隼人の希望通り飲む、と。

 那由他は、隼人の動向が気になって、自殺した公哉の自宅を訪れて、母の奏絵(かなえ:戸田菜穂)から真実を聞く。隼人は、これから自分が制作するゲームのいっさいの権利をSAGASのものとすることに同意する代わりに、オリジナルの「Slide Boon:スライドブーン」が改編されて、「スマッシュスライド」になった制作者の名前を「ジョン・ドゥ」にする事項を入れさせたのだった。

 隼人は、契約書にサインする瞬間を前にして、ちょっと躊躇する。

社長の興津 「ビジネスで成功するコツは、未来を考えることですよ。過去はさっぱり流して」

隼人 「さっぱり流して? マッチ戦は、ガードを発明したのが成功だったと思うんです」

興津 「すまない。ストリートゲームはやったことがなくて」

隼人 「対戦ゲームで、自分はコツコツやるタイプです。安積(那由他)は正面からガンガン攻め込む。俺に違う世界をみせてくるから、2人で組めば楽しいゲームをつくれる気がします。契約はやめさせていただきます」

 那由他と隼人の姿は、街のゲームセンターにあった。お互いの姿は見えないが、ストリートゲームをふたりがやっている。

那由他 「このセコイやり方は、隼人だろ!」

隼人 「大技、狙いすぎ!」

 かたわらには、海の姿も。隼人も「アトムの童」になった瞬間だった。

   
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