うつ病蔓延時代への処方箋

2013年5月29日

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 いつまで経っても決定的な方法が見つからないのが、英語の上達法とダイエット法。だから、次々に“画期的”な商品(方法)が開発され、盛んに宣伝されているのだろう。更年期障害も同様だというのが、大阪樟蔭女子大学学芸学部の石蔵文信教授だ。更年期で悩む女性の大半は、夫に原因があるという「夫源病」は、中高年女性の多くに共感を呼んだ。さらに、うつ病の治療にも同様のことがいえそうだ。精神科の専門医にはない発想で、うつ病患者と接し、大半の人を職場復帰させている。その考え方と治療法などを聞いた。

石蔵文信(いしくら・ふみのぶ)
1955年生まれ。三重大学医学部卒業。国立循環器病研究センター、大阪警察病院、米国メイヨークリニック(留学)、大阪大学大学院医学系研究科准教授を経て、本年4月から現職。大阪市内の診療所で男性更年期外来も担当する。主な著書に『夫源病』(大阪大学出版会)、『パンツの中の健康』(双葉社)、『男のうつ』(日本経済出版社)など多数。テレビ、新聞、雑誌などメディアでも活躍する。循環器専門医。

妻の体調不良の要因は
夫からのストレス

 ―― 大学教授の一方で、うつ病患者の診察も行っていますが、循環器の専門医が何故メンタル面の診察を行うようになったのでしょうか。

石蔵:甲状腺や循環器などの内科疾患を伴う更年期障害を診ていると、必ずしも女性ホルモンの変化だけでは説明できないことがあります。整形外科疾患、脳神経外科疾患、耳鼻科疾患、うつ病などの精神科疾患などと類似した症状を示すことがあるので、不安になり、いくつもの病院で検査をするが原因がわからない。毎回のように最後は「更年期障害ですね」の一言で片づけられてしまう。これほど体調が悪いのに原因がわからない。そのような更年期障害には、「夫」の存在が大きく関わっているのです。

 診察では必ず夫婦で来てもらいます。二人とも私の顔を見ながら話すので、夫の嫌なこと、妻の嫌なことを語ってくれます。そこに家庭内に潜むストレスが浮かび上がってきます。そこからお互いの不満を理解してもらえるよう仕向けていくことで、ホルモン治療や抗うつ薬よりも有効な治療になる場合が多くあります。

 このように夫に原因があるので「夫源病」と私は名づけ、かなりの反響を得ました。夫の存在が大きなストレスとなり、妻の更年期障害を誘発・悪化させているというわけです。

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