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2013年5月31日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 「21世紀はアフリカの時代と言われ、人口も30億人に増え、経済も発展する。人口増と共に増えていく貧困層が中産階級に育っていくための新しい金融のフレームワークをアフリカにつくることは世界の平和と安定のためにも急務です。それがマイクロファイナンスです」

 「しかし、私が調べたところでは、例えばザンビアにすでにあるマイクロファイナンス事業者の多くは、実態は単なる高利貸しで、金利を年に何百パーセントと設定し、人々の将来の給与を担保にしている悪徳業者です。これは本来のマイクロファイナンスとは哲学がまったく異なるもの。マイクロファイナンスの制度面、法律面での枠組みをつくることは重要だ」

 こう語ったのは、デフタ・パートナーズグループ会長で、アライアンス・フォーラム財団代表理事の原丈人氏である。

金融資本主義が多くの貧困層を生み出した

 6月1日から3日まで、日本政府が国連や世界銀行等と共催する第5回アフリカ開発会議(TICAD)が横浜で行われる。

デフタ・パートナーズグループ会長、アライアンス・フォーラム財団代表理事の原丈人氏(右)とBRAC創始者のファズレ・ハサン・アベッド氏(左)

 TICADに先立ち5月27日に東京証券取引所の記者クラブで開催された記者会見。バングラディシュで最初にマイクロファイナンスのプログラムを始めたNGO組織BRAC(ブラック)創始者のファズレ・ハサン・アベッド氏と原氏は、アフリカでの活動を活発化させると語った。

 かねてから、「公益資本主義」という新たな資本主義のあり方を提唱してきた原氏。会見冒頭、原氏は「マイクロファイナンスを通じて新しい金融の仕組みをつくる」と宣言し、現状の金融市場について疑問を呈した。

 先進国では1980年代以降、投資銀行が台頭し、様々な証券化商品や高度な技術を使った金融商品が生まれ、2008年にはリーマン・ショックが起こった。こうした金融資本主義と言われる現状に対し原氏は「金融資本主義はゼロサムゲームで、数少ない富める者と、大多数の貧困層を生み出した」と指摘。

 このような金融資本主義の背景には、短期的な株主利益だけを追求する「会社は株主のもの」というイデオロギーがあると言う。本来の企業の役割として「会社は利益を上げるが、会社を構成する従業員や顧客、仕入れ先、株主、地域社会なども含めた全体のバランスを考えて社会に貢献することが重要」とソーシャルエンタープライズの重要性を指摘した。

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