成長戦略の成功に不可欠な
経済マインド向上 カギは経済教育


中島厚志 (なかじま・あつし)  経済産業研究所理事長

1952年生まれ。東京都出身。東大法学部卒業後、75年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。パリ興銀社長、日本興業銀行調査部長、みずほ総合研究所専務執行役員チーフエコノミストなどを経て現職。著書に『統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『日本の突破口―経済停滞の原因は国民意識にあり』『世界経済連鎖する危機―「金融危機」「世界同時不況」の行方を読む』(東洋経済新報社)など。

中島厚志が読み解く「激動の経済」

混迷の度合いが増す一方の経済情勢。一歩先すら見渡せないこの時代を生き抜くためには、情報の感度、取捨選択能力、読解力が問われます。テレビ東京系「ワールド・ビジネス・サテライト」のコメンテータでもお馴染みでした、中島厚志氏が「激動の経済」を読み解きます。

»最新記事一覧へ

市場が求める即効性ある成長戦略

 6月14日に成長戦略(「日本再興戦略 ジャパン・イズ・バック」)が閣議決定された。企業活力を第一として、(1)人材力強化や中小企業革新などを通じた産業再興、(2)医療・健康、エネルギー、農業、観光といった戦略市場の創造、そして国際展開戦略と分野包括的に数値目標も挙げながら経済活性化を図る内容となっている(図表1)。

(図表1)アベノミクス成長戦略の項目
拡大画像表示

 その方向や内容は的確で、注目すべきところは多い。しかし、そもそも成長戦略は性格からして長期的戦略が中心であり、即効的に大きな効果を挙げるものは少ない。

 したがって、成果が一気に挙がる大胆な内容を期待する市場に失望感が出るのも当然だ。市場期待に沿って言えば、アベノミクス最大の成長戦略は大幅円安で、それに並ぶ柱は今回の成長戦略には見当たらない。

 さいわい、参議院選挙後に大胆な投資減税などを実現することが最終的な成長戦略に盛り込まれ、市場の反応に配慮した形となった。大規模な投資減税は企業の投資を促すものであり、企業活力増進のために円安に加えて即効性が大きい企業活性化策を揃える意味は大いにある。

1
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「中島厚志が読み解く「激動の経済」」

著者

中島厚志(なかじま・あつし)

経済産業研究所理事長

1952年生まれ。東京都出身。東大法学部卒業後、75年日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。パリ興銀社長、日本興業銀行調査部長、みずほ総合研究所専務執行役員チーフエコノミストなどを経て現職。著書に『統計で読み解く日本経済 最強の成長戦略』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『日本の突破口―経済停滞の原因は国民意識にあり』『世界経済連鎖する危機―「金融危機」「世界同時不況」の行方を読む』(東洋経済新報社)など。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍