2022年12月9日(金)

中島厚志が読み解く「激動の経済」

2013年6月28日

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中島厚志 (なかじま・あつし)

新潟県立大学国際経済学部 教授

東京大学法学部卒。日本興業銀行入行。パリ興銀社長、みずほ総合研究所調査本部長、経済産業研究所理事長などを経て2020年4月から現職。主な著書に『大過剰 ヒト・モノ・カネ・エネルギーが世界を飲み込む』(日本経済新聞出版社)。
 

市場が求める即効性ある成長戦略

 6月14日に成長戦略(「日本再興戦略 ジャパン・イズ・バック」)が閣議決定された。企業活力を第一として、(1)人材力強化や中小企業革新などを通じた産業再興、(2)医療・健康、エネルギー、農業、観光といった戦略市場の創造、そして国際展開戦略と分野包括的に数値目標も挙げながら経済活性化を図る内容となっている(図表1)。

(図表1)アベノミクス成長戦略の項目
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 その方向や内容は的確で、注目すべきところは多い。しかし、そもそも成長戦略は性格からして長期的戦略が中心であり、即効的に大きな効果を挙げるものは少ない。

 したがって、成果が一気に挙がる大胆な内容を期待する市場に失望感が出るのも当然だ。市場期待に沿って言えば、アベノミクス最大の成長戦略は大幅円安で、それに並ぶ柱は今回の成長戦略には見当たらない。

 さいわい、参議院選挙後に大胆な投資減税などを実現することが最終的な成長戦略に盛り込まれ、市場の反応に配慮した形となった。大規模な投資減税は企業の投資を促すものであり、企業活力増進のために円安に加えて即効性が大きい企業活性化策を揃える意味は大いにある。

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