2024年5月20日(月)

「永田町政治」を考える

2023年11月20日

 9月の改造は、昨年秋から年末にかけて4人の閣僚が不祥事、失言で辞任、内閣支持率が急落した苦い経験から慎重を期したはずだった。それだけに、政務3役の辞任ドミノは思わぬ伏兵だった。

 大臣ではないにせよ、それに次ぐ政府高官の不倫、公選法違反、差し押さえとなれば、有権者の強い反発は必至だ。

低支持率は政策、実行力への不満

 岸田内閣の支持率は各メディアの調査で例外なく低迷している。

 産経新聞社とFNN(フジ)ニュースネットワーク)が11月11、12両日に行った調査によると、支持率は27.8%。前月から7.8%低下、一昨年10月の政権発足以来、2カ月連続で最低を記録した。不支持率は9.2ポイント上昇し68.8%、こちらは発足以来の最高だった。

 ほぼ同時期に行われたNHKの調査では、支持率29%(前月比7ポイント低下)でやはり政権発足以来最低。不支持率は52%(前月比8%増)だった。

 支持する理由は、産経、NHKとも「ほかによい人がいない」「ほかの内閣よりよさそう」という消極的理由がトップ。不支持の理由はいずれも「政策に期待が持てない」「実行力がない」と共通していた。

 魅力ある政策を強力に推進する力に欠ける首相にあき足らなさを感じている有権者が圧倒的に多いことを示しており、今後総選挙を戦う首相にとって、きわめて憂慮すべき事態だろう。

過半数割れの東北2県議選、東京は自公敗北

 神田副大臣辞任のニュースが伝えられた13日、福島県議選と東京・青梅市長選の結果が報じられた。いずれも前日に投開票が行われていた。  

 福島県議選(定数58)で自民党は2議席減の29議席、過半数を1議席下回った。単独過半数を割り込んだのは2015年の選挙以来。

 これに先立つ宮城県議選(10月22日、定数59)で自民は改選前より6議席減、やはり過半数に届かなかった。福島県議選と同じ日に行われた東京・青梅市長選では、公明とともに推薦した現職が、国民民主、小池百合子都知事が顧問を務める都民ファーストの会推薦の新人の前に3選を阻まれた。

 これらに先立って9月に行われた東京・立川市長選では、立憲民主党元都議団長が実質三つ巴の争いを制し、自民推薦候補が落選の憂き目を見た。立川では10月に2議席を争う都議補選が行われたが、自民公認の新人候補は都民ファースト、立民の公認候補に敗れ、議席獲得はならなかった。


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