2024年5月16日(木)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2024年1月8日

 「アナウンサーの(動画を投稿した)目的は達成されたということだね」、「ますます有名になってよかった」などというコメントもある。この男性アナは以前から、東京電力福島第一原発の処理水の問題をSNSで頻繁に取り上げ、フォロワーが増えていた。

 一方で、こうした意見ばかりではない。むしろ、男性アナを批判する声が少しずつ増えていったのだ。

中国でも大震災は起きている

 海南省のテレビラジオ局がこのアナを停職処分にしたことを評価したり、「核汚染水とは関係がない問題。人の不幸を喜ぶのは最低の人間のやることだ」と言ったりする声も多く、男性アナに対する批判も多かった。そうした声は男性アナの支持派から「媚日、親日の意見だ」などと批判され、議論が過熱した。つまり、男性アナを支持しない人も少なくなかったということだ。

 中でも目立ったのは、中国の地震との比較だ。

 中国でも23年12月に甘粛省臨夏回族自治州でマグニチュード(M)6.2の大地震が発生し、130人以上の人が犠牲になったばかり。中国内陸部ではこれまでも何度も大きな地震が起きている。

 08年に起きた四川大地震を覚えている人も多いだろう。マグニチュード(M)7.9の大地震で、死者・行方不明者は8万7000人に上った。当時の大地震と比較して、今回の日本の地震についてコメントする人もいた。

 たとえば「中国の建物は手抜きのおから工事が多く、学校の校舎が倒壊して多数の子どもが亡くなった。地震の被害だけでなく、人災も多かった。日本でも古い木造建築などがあるだろうが、中国と比べれば人災は非常に少ないと感じる」、「中国で同規模の地震がまた起きたら、もっと大変なことになるだろう」などのコメントだ。

 前述の男性アナの発言を意識して「中国でも何度も地震が起きているは、これは中国人への報いですか?」などと書いているものもあった。また、中国でも地震は身近な問題であるだけに、日本の耐震設備や道路などのインフラは中国より優れていると指摘するものもあった。


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