WEDGE REPORT

2013年11月21日

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 フランス産ワインの「ボジョレ・ヌーボー」が11月21日に解禁される。フランス中東部のボジョレ地方で、その年に栽培したブドウで醸造される「新しい」(ヌーボー)ワインのことで、毎年11月の第3木曜日が解禁日だ。

解禁日に「ヌーボー」が並ぶ都内の百貨店(2012年)。昨年、日本は約660万リットルを輸入した (提供・EPA=時事)


日本では昨年、約660万リットルが輸入された。1980年代から90年代前半のバブル期に一大ブームを巻き起こしたが、最近はペットボトル入りの格安品も出回るようになり、手ごろ感が広まっている。なぜ“バブルの象徴”は安く飲めるようになったのか。

 「あの価格で利益を出せる方法がわからない。赤字で売れば独占禁止法に違反する。航空便ではなく、船便なのではないか」

 解禁日の1カ月半前、あるワイン輸入商社の担当者は、昨年、解禁日に業界最安値の1本490円(750ミリリットル)を叩き出したディスカウント大手のドン・キホーテの安値戦略を割り出せないでいた。

 なぜなら、航空便で運ぶ場合、常識的に考えても最安で650円までしか下げられないからだ。同氏は、フランスから日本に運ばれてくるまでの価格変化について「あくまで目安」と断ったうえで、こうそろばんをはじく。

 まず、同ワインのフランスでの卸売価格は、大衆品から高級品まで幅広く見積もって1本(750ミリリットル)当たり200~1500円という。それを成田空港まで航空直行便で運ぶと1本当たり300~400円の貨物運賃が加算される。さらに、酒税や関税などの税金が同120~150円、国内輸送費が同30~80円加わり、物流関連費だけでワインの価格は650~2130円まで膨らむ。当然、これに商社や小売店などの利益も盛り込まれることになる。

 航空貨物は、重量で運賃が決まるため、容器を瓶(1.3キログラム)からペットボトル(0.8キログラム)に換えることで運賃を下げることができるが、それ以上にコスト削減できるのが「船便」だ。

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