オトナの教養 週末の一冊

2013年12月20日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 2011年に出版された『中国化する日本』(文藝春秋)が一躍話題となった愛知県立大学日本文化学部歴史文化学科の與那覇潤氏。日本史上の「西洋化」を「中国化」という言葉で捉え直し、新たな視点を与えてくれた。その與那覇氏が歴史学をはじめ、哲学や心理学、社会学などを一覧する「文系学問オードブル」のスタイルで日本文化を考える講義をまとめたのが『日本人はなぜ存在するか』(集英社インターナショナル)だ。今回、與那覇氏に「教養」「歴史を学ぶ面白さ」、そして本書のメインモチーフである「再帰性」について話を聞いた。

――本書のもとになったのは、2009年から大学で担当されている「日本の歴史・文化」という講義だそうですが、なぜこのような授業を行っているのでしょうか?

『日本人はなぜ存在するか』(與那覇潤、集英社インターナショナル)

與那覇潤氏(以下與那覇氏):勤務先である愛知県立大学には、いわゆる人文系の学部だけでなく、看護学部や理系の情報科学部もあります。そのすべての学部生が受講する教養科目として、本書のもとになった講義を担当しています。ですから、文理を問わずどこの学部の学生でも、将来学ぶ自分の専門やその隣接分野をメタレベルというか、俯瞰的に「上から」眺めるセンスを育て、その位置づけ、意味について一段抽象度を上げて捉え返せるような授業を提供できれば、全員に有益ではないかという気持ちから始めました。

――専門課程での「○○学入門」の講義とは別に、さまざまな学問分野をひとつ上から一望してみることで、今までとは違うモノの見方を提示するということですか。

與那覇氏:そうですね。学問分野ごとの入門講義というのは、もうその専門に沿って勉強する覚悟ができている人たちに向けて、基礎知識を提供するものじゃないですか。たとえば社会学入門ならマックス・ウェーバーやデュルケーム、人類学ならマリノフスキーなどの話から始めて、「この分野を専攻するなら、こういう人名や用語は知っておけよ」と。自分の場合はそれよりももう一段手前の、社会学的ないし人類学的と言われる「センス」とはどんなものなのか? を一覧する科目を組み立てたかった。その上で、「ピン!」ときた学問分野や方法論を選んでくれたらいいと思うし、またそうやって学問分野ごとにある思考のクセ、頭の働かせ方のコツみたいなものを一通りつかんでおけば、どの専門に進んでも役に立つだろうと。

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