WEDGE REPORT

2013年12月30日

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阪急阪神ホテルズの記者会見で始まった食材「偽装」騒ぎ。サケ・マス、イセエビ・ロブスター、牛肉・成形肉……。曖昧な定義のなかで、委縮し過剰防衛に走る業界。この騒ぎに何の意味があったのだろうか。

 「偽装ネタは売れるんだよね」(週刊誌記者)。

 発端は阪急阪神ホテルズの記者会見だった。車エビとブラックタイガー、芝エビとバナメイエビ─業界の”定義”をこの報道で初めて知った消費者は多いだろう。出崎弘社長(当時)の「偽装ではなく誤表示」とのコメントは連日連夜お茶の間に流され、結果、辞任に追い込まれた。

メニューと異なる食材を使用していた問題で、記者会見する阪急阪神ホテルズの出崎弘社長(当時)(11月28日、提供・時事)

 同様の問題は、ホテル業界から百貨店業界にも波及。一般の飲食店もこぞって、そっと芝エビなどのメニュー表示を訂正している。際限のない広がりに「メニュー表示 法規制を」(朝日新聞)との論調が目につく。

 たしかに、日本農林規格(JAS)法は、スーパーなどの小売店で販売する生鮮食品や加工食品に関して、食材表示の基準を定めているが、外食産業は対象外となっている。

 実際より「著しく」良くメニューを装うと、消費者を惑わせる「優良誤認」として、景品表示法違反に問われる可能性が出てくるが、どこから優良誤認に該当するか明示されているわけではない。歯がゆい法体系の現状に、一罰百戒、厳格な法規制を求める気持ちが理解できないわけではないが、それが本質だろうか。

 「評判になってます」。あるホテルチェーンの幹部が評する記事がある。日刊ゲンダイ11月14日付「椿山荘謝罪で業界激震…サケ・マス表示は底なしの闇」だ(http://gendai.net/articles/view/life/145921)。要旨を引用しよう。

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