世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月17日

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 台湾が対中依存を低下させるにはTPPへの参加が重要であり、そのためには、保護主義をやめ、規制を撤廃し、NZおよびシンガポール以外とのFTAを推進する必要がある、と12月5日付ウォール・ストリート・ジャーナル紙社説が述べています。

 すなわち、中国による防空識別圏設定で地域の緊張が高まる中、台湾とNZのFTAが発効した。北京が隣国に嫌がらせをする方法を次から次へと見出してくるに従い、台湾は、中国への経済的依存の増大を逆転させようとしている。やるべきことは、たくさんある。

 台湾経済にとって輸出は70%を占め、今日では、その40%が中国向けである。両岸の貿易協定(ECFA)が結ばれた2010年には29%であった。台湾の対外投資の80%は中国に向かい、他の地域向けの対外投資における台湾のシェアは低下している。

 中国経済の鈍化は、台湾の成長率を2%まで引き下げ、これは地域の平均を大きく下回る。台湾が現政権よりも親中的でない政府を選べば、台湾は、中国からのあらゆる種類の威圧に対して脆弱となろう。

 両国の貿易は12億ドルにしかならないので、NZとのFTAは、こうしたことを経済的に阻止する役には立たないであろうが、台湾が初めて国交のない国との間でFTAを結んだという、政治的な意味は大きい。台湾は、先月、シンガポールとの間でもFTAに調印し、来年発効する予定である。

 重要なのは、NZもシンガポールもTPP交渉の参加国であるということである。台湾はTPPに参加したがっており、当局者は、NZ、シンガポールとのFTAを、TPP参加への「信用証明」であると喧伝している。

 自由貿易の恩恵を強化するため、台北は、2020年までにTPPに参加するという目標を加速させ、2014年あるいは2015年までとしてはどうか。それには、台湾が保護主義的で官僚主義的であるとの悪い評判を変えるための、法的、および、規制についての変化が必要となろう。喫緊の課題としては、「自由経済パイロット地区」の拡大と、台湾特有の規制の廃止がある。

 より多くの自由貿易協定を結ぶことも役に立つであろう。台北は、インド、インドネシアと交渉に入っており、フィリピン、イスラエルとの交渉の可能性を研究している。馬総統は6月に両岸サービス協定に署名したが、野党は雇用の喪失と中国への過剰依存を懸念すると言い、立法院は承認を留保している。しかし、対中依存の問題の解決は、中国との貿易を減らすことではなく、他の主要国との貿易も増やすことである。サービス協定を拒否することは、TPP参加国に、台湾が貿易自由化についての政治的コンセンサスを持っていることを納得させることにはならないだろう。

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