WEDGE REPORT

2014年2月5日

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2020年の東京五輪開催決定にスポーツ界は沸いているが、バブル崩壊後、スポーツから離れ続ける企業を呼び戻す特効薬にはなっていない。持続可能な企業スポーツのモデルを模索する、阪神酒販や湧永製薬の実態を取材した。

 ソチ五輪に出場する桜井美馬さん(ショートトラック)は昨年3月に早稲田大学を卒業した。

 「卒業2カ月前に運良く東海東京証券に内定し、競技を続けることができました。私は幸運でしたが、卒業を機に資金面から競技を続けることができず、引退せざるを得ない有能なアスリートは多いです」

瀬古利彦氏ですら“就職活動”の現状

 企業がスポーツにお金を出す意味を見出せなくなって久しい。陸上長距離で日本屈指の実績を誇る瀬古利彦氏率いるエスビー食品陸上部も昨年3月に廃部となった。「12年8月に廃部を通告されてから、必死に次の企業を探しました。なかなか話がまとまらず、諦めかけたこともありました」(瀬古氏)。

瀬古利彦氏は所属していたエスビー食品陸上部が廃部となりスポンサー探しに奔走した(撮影・編集部)

 幸いDeNAが救いの手を差し伸べたが、駅伝・マラソンのようにメディアへの露出が多く、瀬古氏のような知名度の高い人材を抱えるチームですらこの有り様である。「マイナースポーツの現状はより厳しいです」と早稲田大学スポーツ科学学術院の原田宗彦教授は話す。

 13年に全日本選手権を制し、16年のリオデジャネイロ五輪でメダル獲得を目指す柿崎史穂さん(カヌー)は現在スポンサー探しに奔走する。「マイナー競技のカヌーでは、スポンサーがつきづらく、親の支援で何とか競技を続けている状況です。連日、企業に雇用を依頼するメールや手紙を出す仲間もいます」

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