世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月29日

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 安倍総理の靖国参拝を受け、米主要各紙が社説を掲載しています。全体的に批判的な指摘がなされていますが、それは純粋な批判というよりも、中国と韓国に、自国の立場を正当化する口実を与えてしまったという文脈での批判です。

 各紙社説の概要は以下の通りです。

12月26日付 Wall Street Journal紙

 2006年以来、現職総理としては初となる安倍総理の靖国神社参拝は、日本の軍国主義の復活を口実に軍拡を進めてきた中国指導部への贈り物となった。

 また今後は、中国国内での日系企業に対する暴動や不買運動に注意する必要がある。こうした反日運動は中国政府が裏で煽っている場合が多い。

 他方、韓国は事情が違う。韓国は暴動よりも、外交的に冷たい態度をとることで、日本への敵意を示す可能性が高い。しかし、その結果、中国の覇権を阻止しうる米国の同盟国間の協力をより困難にしそうである。

 志を同じくする国が、平和的かつ自由な地域秩序を推進できなくなることは、日本にとって戦略的負荷となる。

 中国の脅威を前に、今後日本は、靖国の闇に染まっていない、新たな非宗教的な戦没者慰霊碑を作ることを検討せざるをえなくなるだろう。

12月28日付けWashington Post紙

 安倍総理の靖国参拝は、彼の国際的立場と日本の安全保障を更に弱めそうな挑発的行為だった。

 靖国神社には、戦犯だけでなく数百万人の日本の戦死者を祀る意味合いもある。それに、アメリカの大統領がアーリントン墓地を訪れるのに、旧敵国の目を気にしなければならないということは考えられない。しかし靖国は、中国や韓国等日本の侵略の犠牲者にとっては特別な意味を持つ。それは、日本の戦後指導者が慰安婦問題を含む犯罪や侵略の全ての責任を認めようとしないからでもある。

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