世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年1月30日

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 2013年12月18日付ワシントン・ポスト紙で、イグネイシャス同紙コラムニストが、イランの保守的新聞社の編集者のホセイン・シャリアトマダリ(Hossein Shariatmadari)がイランの革命政治を頑強に提唱するのを聞いていると、多くのイラン人が望んでいるような核合意に達するのがいかに困難であるかが分かる、と述べています。

 すなわち、シャリアトマダリは、西側との妥協はあり得ない、イランと西側の対立は構造的なもので、どちらかが自分のアイデンティティを捨てない限り問題は解決されない、と言った。

 彼は、イランはジュネーブでの暫定合意に署名すべきでなかった、ザリフ外相は合意はイランの濃縮の権利を保証したと言ったが、これはロウハニと最高指導者ハメネイを欺くものである、と述べた。

 さるイランの銀行家は、イラン人の90%は、経済制裁を撤廃し、イランの孤立を緩和する合意を支持していると言ったが、カギを握っているのは、シャリアトマダリや革命防衛隊に代表される人達かもしれない。

 革命防衛隊の力は重要な変数である。ロウハニ大統領はさる9月ニューヨークでのインタビューで、革命防衛隊のような治安組織の力は弱められるべきである、と述べ、6月の大統領選挙で国民にそう言っていた。しかしシャリアトマダリは、それは選挙の宣伝だと一蹴した。

 テヘランは知的水準の高い人の多い大都市で、壁に書かれた1979年のイスラム革命のスローガンはすすけている。しかしイラン体制の急進的根幹はいぜん残っている。シャリアトマダリは、テヘランの大通りに掲げられたホメイニの肖像と「我々は貴方の掲げた旗を決して降ろさない」という言葉に忠実な前衛を代表している。

 テヘランに来てみると、シャリアトマダリが言うように、イランが核交渉でイランのアイデンティティについての内部闘争をしていることが分かった。ザリフ外相と革命防衛隊の長のモハンマド・アリ・ジャファリなどが公に論争していて、それは単なる演出ではなかった。通常の会話の中でも緊張を感じとることができた。

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