世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年2月3日

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 2013年12月20日付ナショナル・インタレスト誌で、Dan Blumenthal米AEI客員研究員とMichael Mazza米AEI研究員が、安倍政権が発表した国家安全保障戦略を評価し、地域秩序を維持するため、米国はこの流れを支援すべきである、と述べています。

 すなわち、日本が発表した初の国家安全保障戦略は、21世紀におけるアジア史の転換点となるかもしれない。従来、日本の安全保障政策は慎重なものであったが、現在はそれを積極的なものに変えようとしている。こうした計画は、日本はもちろん、アジアや米国の国益にとってもよいことである。

 現在、中国は、世界貿易に最も依存した国になりつつある。中国は、海洋貿易を保護するため、海軍力を構築している。

 今や中国は海洋進出を試みる大陸国家である。だが、真の海洋国家になろうとして、中国は、東シナ海、南シナ海を超えて、インド洋、太平洋まで到達しようとしている。中国が言う「第一列島線」を維持することは、中国の太平洋へのアクセスに関わる問題なのである。

 新たに国家安全保障戦略を策定した日本の姿勢は、中国の脆弱性を活用する新たな海洋戦略を構築する機会を米国に与えてくれる。国家安全保障戦略では、北朝鮮やテロ、中東、グローバル・コモンズの問題を挙げながら、琉球列島、特に尖閣諸島の防衛に焦点を当てている。つまり、日本は安全保障の重点を北のロシアから西の中国へリバランスしていると言える。

 日本は領土の安全について懸念を持っているが、地理的には中国よりも優位にある。日本は既に非常に強力な潜水艦と駆逐艦からなる見事な海軍力を保有しているが、更に、第一級の海上阻止・航空阻止能力、ステルス攻撃能力等を加えようとしている。これらの能力は、すべて南西諸島防衛に役立つ。しかし重要なのは、これらの能力によって、自衛隊は国際共同任務をより効率的に行えるようになるということである。

 米国は自国の国防戦略とともに、日本の新たな防衛戦略の効力を増幅させることができる。米軍は新たな分野の能力構築を行ったり、インドネシア、フィリピン、台湾、そして日本を含む地域の同盟国の中国海軍封じ込め能力の向上を支援したりできる。こうすることで、中国は対潜水艦戦能力のような分野に重点投資することを余儀なくされるはずである。その他、米国は、第一列島線にかかる国々が海洋における情報収集・情報共有を行うためのセンターを設立するのをリードすることもできる。これらは、海中戦、機雷戦、水上戦といった海洋すべての局面において、米国と同盟国のプレゼンスを補完するものとなり、中国が昨今やっている強制的な戦略を再考させる要因となろう。

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