安保激変

2013年12月9日

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小谷哲男 (こたに・てつお)

日本国際問題研究所 主任研究員

1973年生まれ。同志社大学大学院法学研究科博士課程満期退学。ヴァンダービルト大学日米関係協力センター客員研究員、岡崎研究所特別研究員等を歴任。専門は日米同盟と海洋安全保障。法政大学非常勤講師及び平和・安全保障研究所・安全保障研究所研究委員を兼務。中公新書より海洋安全保障に関する処女作を出版準備中。

日米安全保障協議委員会(2プラス2)において、日米ガイドラインの2014年末までの改定が主な柱とされたが、これにより日米同盟の姿は大きく変わる。求められるのは、矛(攻撃的役割)と盾(防御的役割)を双方持った日本の防衛態勢だ。なかでも、海・空双方からの脅威に直面する南西諸島地域の態勢強化は喫緊の課題。防衛と災害救援の両面から考えると、地域にある民間施設の活用が有効になる。日米同盟の専門家が、こうした観点を踏まえ、下地島空港の活用について提言する。

 10月3日に、日米安全保障協議委員会(2プラス2)が東京で開かれた。日本の外務大臣と防衛大臣、そしてアメリカの国務長官と国防長官が東京で一堂に会したのは初めてのことで、この歴史的な会合を通じて4閣僚は日米が「十全なパートナー」となることを表明した。

 これが意味するのは、アジア太平洋地域を重視する政策を掲げるオバマ政権と、国際社会が直面する課題に一層取り組む「積極的平和主義」を推進する安倍政権が、より対等なパートナーとしてアジア太平洋の平和と安全に協力するということだ。このためには、日本がより主体的な防衛態勢を構築する必要がある。カギを握る最重要地域が南西諸島だ。

右半分に写るのが、下地島空港がある下地島。左は伊良部島(沖縄県宮古島市、提供・時事)

大きく変わる日米同盟の姿

 2プラス2の共同声明は、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の改定を主な柱としており、弾道ミサイル防衛やサイバー防衛、宇宙空間における協力、共同ISR(情報収集・警戒監視・偵察)、施設の日米共同使用などが主要な協力項目として挙げられている。

 ガイドラインの見直しは2014年末までに行われることになっているが、今回の見直しで日米同盟の姿はこれまでと大きく変わる。

 従来、日米同盟の役割分担は「盾と矛」と呼ばれ、米軍が攻撃的役割(矛)を担い、自衛隊は防御的役割(盾)を担うことが想定されていた。これは、日本に対する直接侵略よりも、朝鮮半島や台湾海峡で紛争が起こり、それが日本に飛び火するというシナリオに備えていたからだ。

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