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2014年2月21日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

移民の減少が与える影響は?

 かつて外国人は少なくとも160万カナダドル(現在1カナダドルは約92円:筆者)の資産を持ち、5年間でカナダ政府に対して80万ドル分の無利子ローンを提供すれば永住権が得られることになっていた。過去7年の間にブリティッシュ・コロンビア州政府はこの投資移民から得た4億ドル余りの無利子ローンを社会サービスに投下し、2億6000万ドルを病院や学校施設の改修につぎ込んだ。これによって2500人分の雇用も生まれた。

 5年後には政府はローンを返済する必要があるが、毎年新移民がもたらす資金は、社会全体に富をもたらした。しかし、移民計画の中止によって州政府の投資計画に影響を与え、プロジェクトによってはキャンセルを余儀なくされ、地元経済に一定の影響を与えるであろう。

 またある不動産業者はバンクーバーのような移民が多い都市で移民の減少は当地の不動産価格の下落を引き起こし、建築、鋼材、セメント業界にも影響を与えるだろうと憂慮している。

* * *

【解説】

 中国の富豪たちが大挙して海外に押し寄せ、その国の永住権を獲得しようとするのは奇異である。中国は「改革開放」政策に舵を切って年成長率が10%を超える急成長を遂げ、日本を抜いて世界第2位の経済大国となり、「G2」(アメリカと中国の2超大国)といわれるまでになった。習近平政権は、「中華民族の偉大な復興」、「中国の夢」というスローガンを掲げ、成長の行方は順風満帆はずではなかったか。

 ところが鄧小平が「富める者たちから富め」と金儲けを認め、そうした政策に則って成功した当の富豪たちは富を手にしたとたんにこぞって海外移住を始めている。「中国の夢」とは金持ちになって海外に移住することなのか。

話題になった薄熙来の海外豪邸

 高官たちが世界各地で高級不動産を買い漁り、その豪邸が華僑系ニュースで大々的に取り上げられるのは珍しいことではなくなった。汚職に手を染めた高官たちが中国国内で金儲けに精を出し、家族を海外に移住させて中国国内から仕送りをするという「裸官」という言葉も出現した。

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