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2014年2月21日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 中国の富裕層が海外にこぞって押しかけることで富と人材の二つの面で深刻な流出が起きている。中国では富の流出阻止が声高に言われるようになっており、2014年1月1日から中国では国民に海外資産の報告が求められるようになったが、こうした政策が富裕層の移民にどのような影響があるかについては引き続き見ていく必要があるだろう。

経済発展への貢献が比較的小さかった

記事(2)【2014年2月16日『北京青年報』ネット(抄訳)】

 カナダ政府が行ってきた「28年間実施し、13万人の移民に青信号を照らし、富裕層に最も歓迎されてきた」カナダの移民計画が終わりを告げることが明らかにされた。カナダ移民局責任者のソニア・ルサージュ女史に聞いた。

 「投資移民計画の廃止」という言い方は、カナダ政府が先日出した「2014年経済行動計画」において言及されたもので、カナダ政府は連邦投資移民計画と連邦企業家移民計画を終了させ、新しい試験計画に道を開き、カナダの労働市場と経済的需給を満たすことを目指している。

 まだ最終的な決定は下されていないが、カナダ政府では立法措置を通して投資移民申請を終わらせることにしており、すでに申請されたものは申請費を返却するという。具体的詳細は数カ月以内に公表される予定だ。

 目下、投資移民計画が受理された申請者は6万5000人を超えているが、もしこの項目が廃止されると、差し止められた申請を処理(申請手数料の払い戻し等を指すと見られる:筆者)するには6年かかると見込まれる。

 投資移民計画廃止に対して香港「サウスチャイナ・モーニングポスト」紙は中国からの富裕層の申請がカナダの投資移民プロジェクトを崩壊させたとしている。そしてカナダの資料では1月8日までに香港から提出されて差し止められた移民証は5万3500部に上り、うち99%は中国大陸からだという。

 ルサージュ女史によると、投資移民プロジェクトを「崩壊」させたのは申請そのものではなく、移民がカナダ社会に社会的貢献をしていないことだという。「80万ドルの無利子借款によってカナダ経済の発展が図られたことを除き投資移民プロジェクトによる経済発展への貢献は比較的小さかった」、そして「彼らがカナダで稼ぐ収入は少なく、納税額もとても小さかった」のだ。投資移民が中長期的にカナダに留まる可能性は低く、他の移民よりも通常、言語レベルが低いことも判明している。

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