WEDGE REPORT

2014年3月7日

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ユーザーに不要なオプションを付け、数カ月後の解約忘れを狙う「レ点ビジネス」。「契約数」を競うあまり、他社からの乗り換えを狙った数万円のキャッシュバック。スマホ需要も頭打ちになる中、長期契約者を優遇するような新たな体制を作るべきだ。

 「家族3人で他社から移転で合計15万円キャッシュバック」、「MNP(携帯電話番号持ち運び制度)ユーザー週末限定一括0円、最大5万円キャッシュバック」─。こんな常軌を逸した競争が当たり前の光景となっているスマートフォン(スマホ)販売の現場。

 しかし美味しい話には裏がある。あの手この手で“契約数”を確保しようと、携帯ショップの現場では、悪質な販売手法が横行しているからだ。料金プランやオプションサービスが複雑化しているにもかかわらず、ショップによる契約条件の説明がおざなりになり、強引に多数の回線契約やオプション契約を迫る悪質なショップが存在している。

 こうした“悪質な販売手法”は、昨年後半に問題視され、携帯各社は健全化に向けた取り組みを進め始めている。ただ本質的な問題解決には到底至っていない。携帯業界はこれから最大の商戦期となる年度末商戦を迎える。むしろ悪質な販売手法がさらに加速するのでは、と不安視する識者の声も聞こえてくる。

解約忘れを狙う「レ点」「抱き合わせ」

高額のキャッシュバックを謳う携帯電話ショップ(撮影・編集部)

 携帯ショップで横行している悪質な販売手法の一つが、業界で「レ点ビジネス」と呼ばれる手法だ。店員は申し込み用紙にカタカナの「レ」に似たチェックをするため、いつしか「レ点ビジネス」と呼ばれるようになった。

 「場合によりますが、オプション1つにつき1000円程度のインセンティブ(販売奨励金)がショップに入ります。『5つ入れば5000円トクしますよ』と案内します」と併売店(複数キャリアの端末販売店)の店員が教えてくれた。近隣店舗から客を奪うため、インセンティブをぎりぎりまで還元するという。

 店頭で半ば不意打ち的にショップ店員に説明されると、「どうせ無料だから」と、内容をよく理解せずに契約してしまうユーザーも多い。ただ無料期間が終わるのが1カ月後ということが曲者なのだ。この期間に忘れずに解約できるユーザーは少ない。しかもこれらのオプションサービスは、あえて解約方法をわかりづらくしているケースがほとんどだ。

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