去年は、シラスウナギの不漁のニュースがメディアを賑わせた。ニホンウナギは、絶滅危惧種に指定され、ウナギ食文化の存続を危ぶむ声が伝えられた。今年に入って、一転してシラスウナギの豊漁を伝えるニュースが相次いでいる。
「ウナギ稚魚価格、昨年の4分の1 漁獲量が大幅増」(日経新聞 2/4)
「シラスウナギ豊漁の気配 うな重お手ごろはまだ先?」(中日新聞1/31)
「シラスウナギ漁回復の兆し」(読売新聞 2/23)
以前とは比較にならない低調な漁獲量
今シーズンのシラスウナギの漁獲量は、漁期半ばの1月中旬までで9トン程度と推定されており、去年の水揚げを上回るのは確実である。それがどの程度の漁獲量なのか図1に示した。極度な不漁続きだったここ数年の中では多い方だが、それ以前とは比較にならないような低調な漁獲量なのだ。
漁獲が減少した状態を基準に、少しでも水揚げがまとまったら「豊漁」と報じるのはウナギに限った話では無い。