オトナの教養 週末の一冊

2014年4月25日

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東嶋和子 (とうじま・わこ)

科学ジャーナリスト・筑波大学非常勤講師

元読売新聞科学部記者。フリーランスで環境・エネルギー、医療、生命科学、科学技術分野を中心に、科学と社会のかかわりを取材。主著に『名医が答える「55歳からの健康力」』(文藝春秋)、『人体再生に挑む』(講談社)など。新著に『水も過ぎれば毒になる 新・養生訓』(文春文庫)

 気候の変わり目、そして、新しい生活が始まり緊張が続くこの時季、あなたは心地よい眠りを得られていますか?

 2007年の厚生労働省国民健康・栄養調査によれば、国民の30人に1人は睡眠薬を服用しているという。睡眠で休養がとれていない人は4人に1人、日中に眠気がある人も10人に1人、さらには、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)などの睡眠の病気がある人も20~30人に1人いるという。

医学的に明らかになってきた睡眠の重要性

 そんななか、厚生労働省は4月、「健康づくりのための睡眠指針2014」を公開した。睡眠に関する指針の改定は11年ぶり。科学的根拠を示す解説とともに「睡眠12か条」を提案している。

 その検討会の委員として改訂に参加した内山真・日本大学医学部精神医学系主任教授が、本書の著者である。内山教授は今回の睡眠指針の特徴を、ライフステージや年代別に起こりやすい睡眠の問題をとりあげ、アドバイスをパッケージ化した点と話す。

 たとえば、「若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ」、「勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を」「熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠」といった項目が12か条に入れられている。

 内山教授によると、2000年以降、睡眠の研究が進み、睡眠の重要性が医学的に明らかになってきた。睡眠には、心身の疲労を回復するはたらきがある。いいかえれば、睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化は、生活習慣病のリスクになることがわかってきた。

 また、不眠はうつ病のような心の病気につながること、睡眠時無呼吸症候群のような睡眠障害による日中の眠気はヒューマンエラーを引きおこすことも明らかになった。

 一方、睡眠への関心が高まるにつれて、正確でない情報やうわさが氾濫した。「睡眠に関する都市伝説」である。

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