世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年4月29日

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 Pacific Forum CSISのヘスらが、National Interest誌ウェブサイトに3月19日付で掲載された論説で、日韓は安全保障協力を強化する戦略的必要性があり、それは、対象を絞った漸進的アプローチにより実現することができるであろう、として、その進め方について提言しています。

 すなわち、不安定な北朝鮮や、より強力になり自己主張を強める中国といった、日韓が直面している複雑な戦略的環境を考えれば、日韓の外交政策エリートは、意見の一致しない過去の歴史問題を離れ、より協力的な安全保障関係を構築することに、もっと熱心になるべきである。しかし、組織的な安全保障協力の最新の試み、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)とACSA(物品役務相互提供協定)は、2012年6月に暗礁に乗り上げてしまった。

 現在の行き詰まりを越えて進むことは、日韓の利益となり、正式な米日韓三国安全保障関係への扉を開く可能性がある。日韓GSOMIAは、脅威に関する機密情報を共有することを目指しており、北朝鮮の核兵器およびミサイル計画、中国の軍事的近代化、その他の潜在的脅威を両国が評価するための助けとなるはずである。日韓は、人道援助と平和維持活動の後方における二国間協力の枠組みを形作る、ACSAからも利益を得られるであろう。ACSAは、情報共有よりも議論が少ないはずである。

 しかし、韓国政府は、一般論としての戦略的価値を強調するだけでは不十分である。韓国では、植民地支配と慰安婦の歴史的記憶は近いうちに収まりそうもなく、日本との協力強化のいかなる努力も政治的にリスクが極めて高い。日本とのより強力な安全保障関係に進むために、韓国は、歴史的怨恨と領土問題を強調せず、協力の具体的利益に焦点を当てるべきである。

 韓国は、より焦点を絞って安全保障協力を追求すること、例えば、北朝鮮の脅威を強調し、日本との協力が如何に韓国人を安全にするかを明確にすることにより、十分な国内的支持を得るチャンスを高めることが出来よう。同時に、韓国は、人道的重要性を強調することにより、ACSAを成立させることができるかもしれない。より議論の少ないACSAをうまく成立させることが出来れば、その後、GSOMIAを成立させる道をつけることにもなり得る。

 第一に、韓国政府は、日本との間の軍事演習と情報共有の強化の、戦略的必要性を強調すべきである。韓国政府は、GSOMIAと日韓の軍事協力強化を、効果的な北朝鮮抑止戦略の鍵となる要素と位置付けるべきである。 2012年の世論調査では、韓国人の61%が協定に反対する一方で、44%が必要性を認めている。2013年の9月には、韓国人の60%が、GSOMIAは必要である、と考えている。

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