解体 ロシア外交

2014年4月30日

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 ウクライナ情勢は現在、危機の第三段階目にある。ちなみに第一の危機は昨年11月から今年2月のヤヌコービッチ前大統領の失脚までの「ユーロマイダン」危機であり、第二の危機は2月から3月にかけて行なわれた、「クリミアのロシア編入」である。そして現在はウクライナ東部が危機に見舞われている。

「地元の自警団」の正体は
やはりロシアの特殊部隊

 上述の通り、ウクライナの危機は今までのところ、3段階に分類出来るが、第一の危機はこれまでの拙稿*注1をご参照いただくとして、ここでは第二、第三の危機を中心にについて簡単にまとめておこう。

 ユーロマイダンが暴力化し、多くの死傷者を出すに至り、ヤヌコービッチ大統領は自らの身の危険を感じ2月21日から姿をくらまし、2月27日にはロシアが彼の身柄を引き受けたことにより、事実上の亡命を果たし、失脚した。同日、ウクライナ最高議会は旧野党「祖国」のヤツェニュク氏を首相とする内閣を承認し、暫定政権が誕生した。

 それは第一次危機の終焉であると共に、第二次危機の始まりを意味した。暫定政権の誕生とほぼ同時に、謎の武装集団がクリミアに展開し、空港や市庁舎など要所を武装占拠する一方、ロシア系住民を中心とした親ロシア派がウクライナからの離脱およびロシアへの編入を目指すようになったのだ。なお、当初、ロシア側はその謎の武装集団を「地元の自警団」だとし、ロシアの関与を繰り返し否定してきたが、4月17日にプーチン大統領はクリミアに展開された武装集団がロシアの特殊部隊であったことを公に認めた。*注2

*注1:拙稿「ロシアの圧力でEU加盟見送り 大規模化するウクライナのデモ ロシアかEUか ウクライナの東西選択(前篇)」(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3445);拙稿「EUへの親近感増すウクライナ人 妥協するプーチン? ロシアかEUか ウクライナの東西選択(後篇)」(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3451);著者インタビュー「混迷極めるウクライナ 「ロシア化」のドミノを恐れる欧米」(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3655)参照。

*注2:この事態を理解するには、ロシアにとってクリミアは地政学的・安全保障的に極めて特別かつ重要な意味を持った地であることを解説した以前のインタビュー記事を参照されたい。

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