世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年8月8日

»著者プロフィール

 6月26日付の豪Strategistに、Benjamin Schreer豪戦略政策研究所研究員が、「豪州は南シナ海で何をすべきか」と題した論説を寄せ、中国の「9点線」主張を反駁し、東南アジア諸国の海洋での能力強化を支援すべきである、と論じています。

 すなわち、中国は南シナ海の現状を引き続き変えようとしている。中越紛争地帯に石油掘削装置の2基目を送ろうとし、人民解放軍の拠点としてFirey Cross礁に滑走路と港を作っている。フィリピン、マレイシア、インドネシアは懸念を深めている。

 中国は、東南アジア諸国に、領土に関する自分の主張を受け入れさせようとしている。中国指導部は、海洋での規範違反の利益はコストを上回ると考えているようである。

 中国は、(1)中国の拡張主義への抵抗はばらばらである。(2)米国は尖閣諸島については日米安保条約の適用を明言し、東シナ海ではレッドラインを引いたが、南シナ海ではそうしていない。(3)日印豪も東南アジア諸国を支持していない、と考えている。

 この状況は、豪州の戦略にとり深刻な問題である。中国をバランスさせることを米国やその他の諸国にまかせ、豪州は中国との経済関係強化に気を使えとの尤もな議論がある。しかし、中国の動きは、規範に基盤を置く海洋秩序を掘り崩し、貿易国の豪州の利益に反する。その上、中国の南シナ海での覇権は豪州の同盟国の地位を弱め、豪州の防衛政策を掘り崩す。中国は豪州の敵ではないが、その将来には疑問がある。

 要するに、豪州は中国に対し、より強い対応をするのが基本的利益である。では、何をすべきか。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る