ヒットメーカーの舞台裏

2014年8月11日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 部屋を密封した状態でゴキブリやダニなどを駆除する殺虫剤に、初めて香りを加えた。

パッケージでは「効き目」もアピール。売れ行き好調の殺虫剤「香るバルサン」

 「くん煙タイプ」と呼ばれるこの種の殺虫剤は、使用後に残る薬品の臭いが敬遠されやすく、そこに注目した。霧状のタイプなので火災警報器に反応しない点も評価されている。

 今年2月下旬に発売すると4月末までの出荷は45万本と当初計画を5割上回った。ゴキブリ退治のシーズン到来で、更に人気は高まりそう。容量は2タイプあり、税込み実勢価格は6~10畳用が700円前後、12~20畳用が1100円くらい。

 香りはバラの「フレッシュローズ」と、柑橘系の「クリアシトラス」を用意している。噴射して部屋を閉じ、2時間後に戻ると殺虫剤らしき臭いはなく、わずかな芳香が残った。その後窓を開けて30分ほどで、香りも消えた。

 商品化は2012年2月にスタート、薬品事業部の春田敏伸(31歳)が企画を担当した。くん煙タイプの市場は00年のピーク(約150億円)から近年では半減しており、春田は「新しいお客様にも使っていただき縮小に歯止めをかけたい」との思いで動き始めた。

 前年の調査で、臭いに何らかの不満をもっている人が54%と半数強に及ぶという結果も出ていた。

 ちょうど桜の季節で、「桜のようなさわやかなイメージ」の商品を描くうち、香り成分の使用に思い至った。決め手となる香料は、バルサンの担当部門と全社的な香料研究部門が共同で開発に着手した。

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