WEDGE REPORT

2014年8月21日

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 湘南エリアの人々に無形のサービス、つまり夢や感動や希望を提供することが私たちの最大のミッションです。そのためには「見ていて面白い」という感覚を持ってもらえるかどうかが一番大事。具体的に言えば、とにかく縦に速いパスを入れる、目を離す暇も与えないようなノンストップサッカーを展開するということです。

大倉 智 (Satoshi Okura)さん
湘南ベルマーレ取締役社長。早稲田大学卒業後、日立製作所、柏レイソル、ジュビロ磐田、ブランメル仙台を経て、米国Aリーグへ。2001年、セレッソ大阪のチーム統括ディレクター。05年湘南ベルマーレ強化部長、同GM、14年4月から現職

 私は強化部長、ゼネラルマネージャー(GM)、そして今年からは社長として、計約10年間、湘南のチームづくりに携わってきましたが、このスタイルにはずっとこだわり続けてきました。『縦の美学』という本まで出してしまったぐらいです。

 バイエルンのGM、ウリ・ヘーネス氏に言われた言葉が胸に深く刻まれています。「プロサッカーは、“どうやって負けるか”だ」。

 勝負事ですから勝つ試合もあれば負ける試合もあります。負けても、足を運んでくださったお客様には少なくとも「面白かったね」という感慨を持って帰ってもらわなければいけません。

 スポーツですから勝つことが重要なのは当然ですが、勝ち点3を取りさえすればいいと考えるか、そのプロセスも大事だと考えるかで、試合の面白さは大きく違ってきます。私たちは選手の成長や勝つまでのプロセスも大事にしたい。でも、クラブとしてそういう道を選ぶことにはすごく勇気が要るんです。スタイルを貫くことができているのは、曺貴裁(チョウキジェ)監督がクラブと同じ理念を共有しているからこそ。監督が就任した2012年から思い切って若返りを図り、試合終了まで走りきるチームをつくりあげてきました。そのサッカーが今、多くの人に「面白い」と言ってもらえるのはうれしいですね。

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