世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年8月26日

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 7月15日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、Richard Fontaine米CNAS所長及びPatrick M. Cronin同上級顧問が連名で論説を寄せ、米国は中国の強硬姿勢に対するベトナムの抑止力を強化し、米越関係の正常化を一層進めるため、殺傷兵器を含む対越武器売却禁止を解除すべきである、と述べています。

 すなわち、米国が南シナ海における中国の強硬姿勢に対処する一つの方法は、ベトナムとの関係強化である。米国はベトナムの自衛能力強化のため、これまでの共同演習、戦略対話を越えた策を講じるべきで、最も重要なのは、対越殺傷武器売却の禁止をやめることである。

 武器売却の解禁は中国の圧力に対するベトナムの抑止力の強化に資するのみならず、米越関係の完全な正常化に向けての長い道のりでの必然的な一歩である。

 米国の対越軍事支援の規模と種類は、人権状況の目に見える改善と結び付けられるべきである。また、軍事支援は、海域識別システム、フリゲートなどの艦船、対艦兵器といった、外国の強要を抑止するのに最も役立つような防衛品に限られるべきである。

 防衛品の流れをベトナムの人権状況の目に見える改善と結び付けるのが重要である。国務省は、ベトナムにおける労働権や宗教の自由といった分野での状況を報告しているが、政治的権利や市民の自由について深刻な問題がある。特定の武器システムの供給を、例えば、政治犯の釈放や政治活動を罰する法令の改正と結び付けることが考えられる。

 中国は、南シナ海での主張を既成事実化するため、あらゆる手段を講じるであろう。米国は悪行に代価を課すため、より力強く外交を実施しなければならない。

 その取組みの一つは、中国との領土紛争を抱えている国のなかで、自国の利益を守る決意を示している数少ない国であるベトナムとの協力の強化である。

 ベトナム戦争から40年、冷戦時代の敵国は、中国の台頭がもたらした戦略環境の変化により、パートナーになりつつある。

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