中国メディアは何を報じているか

2014年9月9日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 賞味期限切れの食材再利用で日本のメディアを再度賑わした中国の「食の安全」を巡る問題。このほど中国赤十字社が公表した統計数字から、食に止まらず、中国の医療、特に医薬品にも注意が必要で、政府や世論による監督が不可欠なことが浮き彫りになった。

交通事故死者数の4倍
医療を巡る「正常」ではない死者の多さ

 中国では医療を巡り「正常」でない死者が年間40万人に上り、このうち薬の服用ミスが多くを占めるというのだ。医薬品のネット販売解禁是非が議論される日本だが、中国での医薬品販売、服用を巡って事故が多発していることは知っておいてしかるべきだ。

 今月から中国全土で展開されている「安全な薬の服用月間」運動を前に注意喚起の意味で伝えられた報道である。確かに正規ルートで中国からの医薬品が入ってくることは考えにくいが、ネットでの商取引拡大によって隣国で起きていることに無関心ではいられないことから以下ではこの『京華時報』の記事を紹介しよう。

* * *

【2014年9月3日『京華時報』(抄訳)】

『京華時報』2014年9月3日
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 中国赤十字社によると、中国で医療を巡る「非正常」な死者数は年間40万人に上り、これは交通事故での死者数の4倍だという。死亡原因の大部分は不正確な薬の処方によるものとされる。医者の処方を守らない、説明書の通りに服用していない、盲目的な服用など、それほど大ごとではないと思われる薬服用時のミスが健康を損なう可能性もあるのだ。

 こうした市民に広く存在する薬の安全な処方に関する問題に対して、国家食品薬品監督管理総局(中国の食品や医薬品の監督官庁:筆者)は9月1日から10月31日まで全国で「安全な薬の服用月間」を展開することにしている。

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