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2014年9月25日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 北京市東城区の検察当局は9月17日、ジャッキー・チェン氏(中国名は成龍、以下、チェン氏と略称)の息子、ジェイシー・チャン(中国名は房祖名、戸籍名は陳祖明)容疑者を正式に逮捕する許可を出した。チャン容疑者は自宅に大麻を所有し、使用した容疑で既に8月中旬に身柄を拘束されていた。

 息子の逮捕でチェン氏は会見を行い、息子を助けることを言明しているが、マスコミの関心は息子よりもチェン氏本人に集まっている。息子逮捕のターゲットはチェン氏本人ではないかと見られているためだ。彼が中国政界に持つネットワークが明らかにされ、江沢民グループ、特に曽慶紅元国家副主席との関係が注目される。中央テレビの有名キャスターの拘束もあり、芸能界に汚職取締りの手が及んでいることから、大麻を吸った若者よりもより大物の「虎」が目的ではないかと憶測が出ているのだ。

 そこで香港の芸能雑誌『壹週刊』に掲載された「依拠した曽慶紅が劣勢に 成龍息子に事件でも支えきれず」を紹介しよう。日本ではあまり知られていないチェン氏の中国での活躍が良く分かるだろう。

* * *

【2014年8月31日『壹週刊』(香港)(抄訳)】

『壹週刊』本記事掲載号

 香港から登場した国際的スター、ジャッキー・チェン氏はこの10年、全力で北に向かい(南の香港から北の中国に向かうこと:筆者)、イメージダウンも気にせず金儲けに勤しんでいる。共産党にゴマをすって「中国人は管理されるべき」とか「香港はデモの都になった」とか、「国(の管理)は甘い」と荒唐無稽な事を言ったかと思えば、「中国テレビのチャンスが爆発しそうだ」とも発言している。しまいにはネットで中国人カス番付にノミネートされる始末だ。

 彼は滑らかな口八丁で全国政治協商委員(日本の参議院議員のような地位:筆者)に任命され、中南海への直通列車に乗った(中国政府の中枢と関係を築いたということ:筆者)。彼が依拠した後ろ盾は江沢民系統に属する曽慶紅元国家副主席人脈だ。曽元副主席の弟で国家文化部を掌握する曽慶淮氏は薄熙来、周永康事件に関わり、今では習近平の優先目標となっている。曽慶淮氏は、楊受成氏と董平氏とともに中国芸能界で最近最も影響力を持つ「芸能界の鉄の三角」と言われ、チェン氏はこの3人と密接に繋がっている。

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