ペコペコ・サラリーマン哲学

2009年6月29日

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 前回のコラムでは、私が、信越化学工業で38年間経理・財務をたたき上げ、最後の数年間、役員として購買も担当したときに、はじめの1週間で「竜宮城のような接待」を受けた経験をお話ししました。

 そして、小田切新太郎会長(当時)に翌週呼ばれ、「経理・財務と購買はなじまないというのをご存じですか」、「購買の担当は、購買部長、購買課長以下の人たちに全部任せて、名前だけ購買担当とし、購買関係の仕事は何もやらないという線でどうですか」とあっさり担当を実質的に外されてしまった、と書きました。

 今回はその続き(後編)です。

 「ところで」と会長は言いました。「当社は、いろいろなところからモノを買っているが、そのモノをうちに売ってくれる人たちからほとんど接待を受けない、そのうえ、その人たちにお返しの接待をやる度合いが少ない、という話が耳に入ってくるんですが、どうでしょうかね」と聞かれました。

 私は、「すいませんが購買部長のところに聞きに行ってまいります」といって、購買部長に聞きました。

 「うちが買入れ先を接待する予算はあるのかね」と聞いたら、「そんなの、当社の経理部長(私のことです)がやかましくて予算をくれないから、ありません」と言われてしまいました。

接待のお返しをする予算がない

 それで、会長のところへ行って「当社は、こちらから買入れ先に対して接待をする予算はほとんどないそうです」と報告しました。そうしたら、「ああ、それでわかりました。そういう予算もないから、結局、当社は買入れ先の人たちから、ほとんど接待を受けないのですね」と会長はおっしゃいました。

 さらに続けて、「当社の販売担当者たちは、ほかの会社の購買部門へ行って、一生懸命取り入って、接待をして、モノを多く、しかも高く買ってもらうという努力をしているでしょう」とおっしゃいます。

 「それと同じことを、買入れ先の人たちも、うちの購買部へ来て、接待を一生懸命したいと考えていると思います。当社の購買部が接待されっぱなしじゃ、会社が原料などを高く買わされて損害を受けるから、お返しをしなきゃならない。でも、そういう予算がうちにはないんですね。それじゃ、接待も受けられませんね」なんておっしゃるのです。

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