新アメリカ安全保障センター(CNAS)のクローニンとフォンテーンが、9月3日付ウォールストリート・ジャーナル紙で、米豪同盟を深化させるステップとして、西オーストラリアのパースを第二の米空母打撃群の前方展開拠点としてはどうか、と提案しています。
すなわち、インド太平洋地域の重要性の高まり、米国のアジア回帰、ルールに基づいた国際秩序に対する新たな挑戦という諸要素を踏まえると、今こそ、米豪同盟を発展させる時期である。その際、西オーストラリアを米海軍艦船の新たな基地とすることは、良いきっかけとなる。
2011年に、オバマ大統領が、アジア回帰政策を強調する場所として、キャンベラを選んだのは偶然ではない。豪州北部では、米海兵隊・空軍のローテーション展開の拡大が行われており、2020年までに最大2500名の米海兵隊員が豪州で訓練を行うことになっている。
アボット政権は、米豪同盟の深化を目指して努力しているので、米国もこれと足並みを揃えるべきである。米国は、国防予算を削減し、国家として内向きになりつつある中、インド太平洋における米国のプレゼンスを拡大する機会を見つけるべきである。
その具体策として、米豪両政府は、豪西海岸に位置するパースを米空母打撃群のための前方展開拠点とする計画を進めるべきである。現在、米海軍は、日本を第7艦隊の母港としているが、地域に2つ目の空母打撃群が必要となった場合には、米国の西海岸から派遣する以外に方法がなく、現地に到着するまでに貴重な日数を無駄にしてしまう。
パースに、空母と艦載機部隊、他の護衛艦船を配備できれば、この弱点を長所に変えることができる。2012年の議会報告によれば、米軍が縮小を余儀される中、地域に第二の空母打撃群を配備することは、米国のシーパワーを3倍に増強することになるという。
加えて、米豪はサイバーセキュリティや宇宙、対潜水艦戦(ASW)、特殊作戦、地域安全保障といった分野での協力を、更に緊密化すべきである。米国は、豪州が進めているココス島の開発を、情報収集や偵察活動を行う無人機の拠点として使えるよう支援することもできるだろう。