中国メディアは何を報じているか

2014年10月31日

»著者プロフィール
著者
閉じる

佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 10月20~23日、中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議(18期4中全会)が開かれた。党中央委員会全体会議は党中央委員会委員・候補委員(18期4中全会には委員199人、候補委員164人が出席)がおよそ年に1回集まる重要な会議であり、そこでは重要な決定が行われる。18期4中全会では、「依法治国の全面的推進の若干の重大問題に関する決定」(「決定」)が採択された。10月29日付『人民日報』が「決定」の全文を掲載した。

「法に基づく」のか、それとも「党の指導」か

 「依法治国」とは、「法に基づく国家統治」のこと。「決定」は、依法治国の全面的推進の総目標を「国家統治システムと統治能力の近代化を促進する」ことにあるとする。民衆からの信頼、「政治信任」の欠如が一党支配を不安定なものにしている現在、「法に基づく」姿勢を示すことで民衆の信頼を回復し、一党支配を強化することを示したのがこの「決定」である。

 「決定」は憲法重視を強調し、「憲(法)」に41回言及した。

「憲法を核心とする中国の特色を持つ社会主義法律体系を完成させ、憲法の実施を強化する。依法治国の堅持にはまず依憲治国(憲法に基づく国家統治)を堅持しなければならない。依法執政(法に基づく執政)を堅持するにはまず依憲執政(憲法に基づく執政)を堅持しなければならない。憲法の実施と監督制度を健全化し、全人代、全人代常務委員会の憲法監督制度を完成させ、憲法解釈の手続きメカニズムを健全化する」

 同時に「党の指導」(中国語で「党的領導」)も強調し、「党的領導」に14回言及した。

「わが国の憲法は中国共産党の指導の地位を確立した。党の指導の堅持は、社会主義法治の根本的要求であり、党と国家の根本所在、生命のありかであり、全国各民族人民の利益、幸福であり、依法治国の全面的推進の含まれるべきものである。党の指導と社会主義法治は一致しており、社会主義法治は党の指導を堅持すべきであり、党の指導は社会主義法治に依拠すべきである」

 そして「決定」は次のようにも言及している。

「国外の法治の有益な経験を参考にするが、決して外国の法治の理念やモデルを真似しない」

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る