経済の常識 VS 政策の非常識

2014年11月6日

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 一般に、人がなぜ間違えるかと言えば、知識が十分ではないからである。地震や噴火の予知を間違える(あるいはできない)のは、どのように地震や噴火が起きるか、そのメカニズムが十分に分かっていないからである。もちろん、損得で間違えることもある。事故が起きるとまずいことが起きる。だから、事故が起きないことにしようというような思考法である。したがって、知識がないか、知識があっても損得を考えて間違えるか、その両方が組み合わさって間違える。

2014年の夏の予測は間違っているだろう

 エコノミストの場合、間違えたか間違えていなかったか、よく分からないことが多い。成長率を高める成長戦略が重要だというエコノミストは多いが、成長戦略のどの部分が、どれだけ、どのようなメカニズムで成長率を高めるのか、よく分かっていない。しかも、結果が出るまでには時間がかかるから、個々の成長戦略のどれが正しく、どれが正しくないのかは、おそらく分からないままだろう。

 来年の実質GDP成長率がどれだけになるかということなら、間違えたか間違えないかは、次の年になれば分かる。この場合でも、どのようなメカニズムでその成長率になったのか、よく分かっていないのだが、結果の数字が当たったか当たらなかったかは分かる。

 2014年度の成長率がいくらになるか、もちろん、来年度にならないと分からないのだが、おそらく、2014年の夏の予測は間違っているだろう。

 ESPフォーキャスト調査というものがある。約40人のエコノミストにGDPや物価や失業率の見通しを聞いて、その平均を求めたものだ。だから、この予測は、エコノミストの主流の予測と言える。

 これによると、2014年度の実質GDPの成長率を、2014年の7月の予測では0.85%としていたが、10月では0.34%とした。わずか3か月で0.5%も予測を引き下げてしまった訳だ。

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