ウェッジ新刊インタビュー

2014年11月17日

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 新幹線の開業について思い出すのは、開業を前に1964年の7月に開始された、12両編成、臨時ダイヤによる、東京〜新大阪間の全線試運転です。

 私はこのとき初めて全線乗車したのですが、車窓からの風景を見ながら、ある時には車内案内放送も担当しました。

 新幹線が開業するまで東海道線には何百回と乗車し、沿線風景はよく知っていると思っていましたが、新幹線から見た景色はそれまでとまったく違って見えました。線路が変わり、スピードが変わると、こんなにも違うのかと感じました。富士山もそれまで見ていたものとは違う山のように感じられました。

浜松駅を通過するN700系(写真提供=JR東海)

 特に印象に残ったのは、清水~富士のあたりで、海岸線に近いところは通りません。新幹線は山寄りを走っており、海沿いではない静岡県の山中の景色というものを初めて見ることができたと思いました。

須田寬・JR東海相談役

 また、車窓から大変早いスピードで変化していく景色を見るにつけ、それまで地図の上で認識していた街や都市の配置、それらの姿がまったく違って見えるように感じました。これまで知らない違った世界が広がっているような印象があり、大変感慨深かった覚えがあります。

 このようなことから、これから新幹線に乗って下さるお客さまは、これまで経験したことのない、新しい気持ちで乗って下さるだろうと思いました。

 開業後の印象的な出来事といえば、私自身の故郷への帰省があります。私は京都出身なのですが、当時は母がまだ健在で、折にふれ京都へ帰っていました。東京から京都へ帰り、また東京へ戻る。新幹線が開業する前は、午後の1時か2時には京都を出発しないと、その日のうちに東京へ着くことが出来ませんでした。

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