WEDGE REPORT

2014年12月9日

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─稲船さんは、大手ゲームソフト会社の「カプコン」に長年在籍され、「ロックマン」「鬼武者」等、数々のヒット作を生み出したが、今のゲームメーカーをどのように見ているのか。

「ゲームで負けるのは、日本発祥の柔道で負けるのと一緒で悔しい」と語る稲船氏
(撮影:Wedge編集部)

 経営側も、クリエイター(制作)側も力が落ちている。経営側は、マーケティング調査結果や投資回収率、開発期間、開発費など、全ての資料の説明をクリエイター側に求める。

 クリエイター側がそういった慣れない作業をして、資料を提出しても、新しい作品にはなかなか承認がおりない。結果、新しい作品が生まれず、シリーズ物しか作れなくなっている。今のクリエイターは作りたい作品が思うように作れず、クリエイティブ能力は落ちていっている。

─なぜ経営側は承認できないのか。

 よく経営側にばかり原因があるように言われるが、クリエイター側も悪いと私は思っている。クリエイター側が10億円、20億円かけなければ、世界で売れるゲームが開発できないと思っているからだ。経営側も、売れると確信が持てる従前のヒット作シリーズ以外に、そんな高額な費用をかける決断はできない。

─世界のゲーム市場での日本ゲームの存在感は薄れ、海外メーカーのゲーム、いわゆる「洋ゲー」が席巻している。どのように感じているか。

 単純に悔しい。従来、日本が広めてきたゲームで勝てないのは、日本が柔道で負けるのと一緒だ。今では日本語版を出さない洋ゲーも増えている。かつて日本のゲームが世界を席巻していたときに、我々日本のゲームクリエイターが「英語版だけで、○○語版はいらないでしょ」と会話していたのと同じことを、海外ゲームメーカーにされている状況だ。

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