遺伝子検査ビジネスは「疫学」か「易学」か(前篇)

遺伝子でわかること 遺伝子検査でわからないこと


村中璃子 (むらなか・りこ)  医師・ジャーナリスト

医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。京都大学大学院医学研究科非常勤講師も務める。

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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「あなたの遺伝子型の発症リスクは1.2倍」--この意味がわかるだろうか。さらには祖先解析、子供の才能分析まで広がる遺伝子検査に内在する問題とは。

 「遺伝子検査、夫とやってみようかって話しています。生まれつきのことがだいたいわかるんですよね?」

 こう聞いてきたのは金融業界で働く30代後半の女性。「わかることは非常に限られているようです」そう筆者が告げると、困惑した顔でこう言った。「え、遺伝子だから調べればきちんとわかるんじゃないんですか? ほら、アンジェリーナ・ジョリーはあれで乳がんを見つけたでしょ」

 個人向け遺伝子検査がじわじわ浸透しつつある。大手ゲーム開発会社DeNAは、子会社DeNAライフサイエンスを設立して8月よりサービスを開始。容器に自分の唾液を入れて送ること数週間、結果がネットで見られるようになる。ウェブサイトには「約152種の疾患発症リスクと、肌質や太りやすさといった130種の体質に関する特徴、合わせて最大282項目の遺伝子を検査できる」とある。

米23andMeが有名人を招いて開催した「つば吐きパーティー」
The New York Times/AFLO

「アンジー」にはなれない

 利用者に共通するのは「病院や人間ドックで受けるような検査項目に、病院ではみてくれない体質もわかって3万円は安い」というイメージだが、深澤優壽社長はこう言う。「医療のところは取り扱いません」。

 この意味がわかるだろうか。

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著者

村中璃子(むらなか・りこ)

医師・ジャーナリスト

医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。京都大学大学院医学研究科非常勤講師も務める。

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