2024年12月22日(日)

Wedge REPORT

2014年12月15日

「あなたの遺伝子型の発症リスクは1.2倍」--この意味がわかるだろうか。さらには祖先解析、子供の才能分析まで広がる遺伝子検査に内在する問題とは。

 「遺伝子検査、夫とやってみようかって話しています。生まれつきのことがだいたいわかるんですよね?」

 こう聞いてきたのは金融業界で働く30代後半の女性。「わかることは非常に限られているようです」そう筆者が告げると、困惑した顔でこう言った。「え、遺伝子だから調べればきちんとわかるんじゃないんですか? ほら、アンジェリーナ・ジョリーはあれで乳がんを見つけたでしょ」

 個人向け遺伝子検査がじわじわ浸透しつつある。大手ゲーム開発会社DeNAは、子会社DeNAライフサイエンスを設立して8月よりサービスを開始。容器に自分の唾液を入れて送ること数週間、結果がネットで見られるようになる。ウェブサイトには「約152種の疾患発症リスクと、肌質や太りやすさといった130種の体質に関する特徴、合わせて最大282項目の遺伝子を検査できる」とある。

米23andMeが有名人を招いて開催した「つば吐きパーティー」
The New York Times/AFLO

「アンジー」にはなれない

 利用者に共通するのは「病院や人間ドックで受けるような検査項目に、病院ではみてくれない体質もわかって3万円は安い」というイメージだが、深澤優壽社長はこう言う。「医療のところは取り扱いません」。

 この意味がわかるだろうか。


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