世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年2月18日

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 台湾の国民党の新主席に選出された朱立倫にとっての課題は、両岸関係の見直し、国民党のイメージを一新するような内政改革、国民党内の内紛を収めることであるが、いずれも困難であろう、とDiplomat誌のティエッツィ編集員が1月16日付同誌ウェブサイトで報告しています。

 すなわち、国民党主席に選出された、朱立倫・新北市長は、来年の総統選と立法院選で大敗を避けるには、国民党のイメージを一新しなければならない。国民党の内部改革を行う必要がある。

 朱がなすべきことの一つは、国民党の両岸関係政策の見直しである。2014年春の「ひまわり運動」は、両岸関係のあり方、大陸との経済的統合のペースに対する幅広い懸念を表している。しかし、朱は、国民党の両岸関係政策を微調整するかもしれないが、対中宥和政策自体を撤回する兆候はない。朱は、北京と既に良い関係を持っているようであり、習・朱会談の可能性すら指摘されている。

 朱が直面する最大の課題は両岸関係だが、朱は、まず内政問題への取り組みを目指すであろう。一つは、経済的不平等と戦うことを約束し、累進課税の強化を主張している。台湾の若者の間では、失業の増加と賃金の低下への懸念が高まっているが、国民党はその元凶の一つと見られている。

 朱は、一党独裁時代に貯めこんだと批判される国民党の資産問題に取り組むと約束し、大企業の党という国民党のイメージを一新しようともしている。ただ、朱がこの約束を実現できるかは未知数である。

 最も興味深いのは、朱が、憲法を改正して議院内閣制を導入すると強く主張している点である。台湾の現行制度には、総統の権限が強すぎるとの批判がある。総統が国防、外交、両岸政策のみに権限を持つ、フランスのような制度がモデルとなり得る。朱は、また、小政党が議席を獲得できる機会を拡大できるように選挙法を改正したがっている。民進党も、政治改革、憲法改正を主張しており、両党間で共通の土俵が出来る可能性はある。

 朱の最大の任務の一つは、11月の選挙後に表面化した国民党内の軋轢を小さくすることである。しかし、朱が国民党をどういう方向に導こうとするにしても、守旧派の抵抗を受けることになろう。

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