World Energy Watch

2015年2月17日

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 スペイン、ドイツなど欧州諸国では再生可能エネルギー導入政策の見直しが続いている。見直しの理由の一つは、電気料金の上昇が産業、特に製造業の競争力に影響を与え、EU委員会が目標とする2020年にEU内の国内総生産(GDP)に占める製造業の比率を、現在の15%から20%にするという目標達成が危ぶまれるからだ。

(画像:iStock)

 昨年8月に小型設備を除き固定価格買い取り制度(FIT)が廃止されたドイツでは、再エネ設備の導入が急減速している。14年の太陽光発電設備の導入量はピーク導入時の4分の1以下の180万から190万kWに留まり、政府目標の250万kWすら下回る状況だ。ドイツ再エネ連盟の新年会に出席したメルケル首相が、「関係者全員を満足させることはできない。(FITを原則廃止した)再エネ法の改正は成功だった。太陽光は一休み」と挨拶するほどの政策転換が行われたわけだ。

 こんな状況下で、ただでさえ中国企業の攻勢に曝され経営に苦しみ、生産数量を削減していたドイツの太陽光企業は工場閉鎖にまで追い込まれる状況になっている。攻勢を強めている中国企業も無傷ではない。オーナーが中国一の富豪であり、市場価値では世界一位の太陽光企業と言われている香港市場上場の中国企業漢能太陽能集団(Hanergy Thin Film –HTF)の決算に疑義があると昨年から専門紙では報道されていたが、1月末に英国フィナンシャルタイムズ紙が一面トップで疑惑を報道したことから世間の注目を大きく浴びることになった。

 低迷する先進国の太陽光関連企業のなかで、市場が伸びている米国では国内生産増の動きが報じられている。米国企業に競争力が回復したということではなく、米国政府の中国、台湾製の太陽電池に対する課税による中国製太陽光パネル締め出しと、エネルギー省による補助金政策が成長を作り出している。

 欧米の政策が大きく異なり、中国企業がパネルの供給過剰状況を作り出す太陽光事業で日本はどのような政策を採るべきだろうか。

低迷するドイツの太陽光市場

 昨年8月の再エネ法の改正により、ドイツでは太陽光発電設備の導入数量が急減している。太陽光パネル市場の80%を中国製が占めるなかで追い詰められたのはドイツ企業だ。旧Qセルズは一時シャープと生産量世界一を争っていたが2012年の4月に破たんに追い込まれた。その後韓国企業に買収され、ハンワQセルズとしてドイツ国内でも生産を継続していたが、国内生産から撤退することを1月に発表した。

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