Diplomat誌のアンキト・パンダ編集員が、1月26日付同誌ウェブサイトに「オバマ訪印での米印関係9つの成果」と題する論説を掲載し、米印関係の進展を評価しています。
すなわち、オバマ大統領は共和国記念日の主賓として訪印し、モディ首相と共同声明、共通ビジョン文書を出した。オバマ訪印の主な成果は次の9点である。
第1:気候変動について合意がなされた。モディは、温暖化は先進国の責任であるとの従来の立場を変え、インドは再生可能エネルギーの利用を増やし、先進国、途上国双方の排出を規制する国際取り決めに参加すると述べた。これは米国にとり昨年の米中合意に続く快挙である。
第2:インドのアクト・イースト政策と米国のアジア・リバランス政策の方向性が同じであると確認された。これは、オバマが軍事パレードを閲兵したことと合わせ、北京への強いメッセージになる。共同声明は、防衛協力にも言及している。
第3:経済面では、共同声明は、投資協定締結を目指すとしている。インドは、煩雑な官僚的手続きの簡素化などに取り組むことになる。
第4:米印防衛技術・貿易イニシアティブ(DTTI)が今回も言及された。武器の共同生産・開発における米印協力が進むことになろう。
第5:共同声明に言及はないが、ロッキードのC-130機とRQ-11Raven無人機の部品の共同生産などの合意も発表された。
第6:今回は、共同声明ではないが、共同戦略ビジョンで、南シナ海での航行の自由の重要性及び国際法に基づく紛争の平和的解決に言及している。
第7:テロ対策についての協力も従来通り言及された。特に、パキスタンを名指しし、同国内のテログループを取り締まるよう求めている。
第8:米印核協力が大きく取り扱われた。2006年に米印核協力合意が結ばれたが、事故の際の賠償責任問題で、協力が進まなかった。両国は、今回、この問題を保険により解決しようとしている。
第9:米印は他のアジア・太平洋諸国と協力していく。特に米印日の協力の重要性が特筆されている。日本は米国の同盟国であり、インドと良い関係にある。昨年の共和国記念日の主賓は安倍総理であった。