世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月31日

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 インドのモディ首相訪米に際し、ヘリテージ財団のリサ・カーティス上席研究員が、同財団ウェブサイトに9月24日付で掲載された論説で、米印関係強化の背景と重要性を説き、米国がインドに対してとるべき対応を挙げています。

 すなわち、9月上旬には、モディは5日間にわたる訪日を成功させ、安倍総理との間で、日印対話を「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」に高めることで合意した。モディは、中国に対するヘッジとして、日本との戦略的協力強化に関心を持っているように見える。

 これに対して、習近平の訪印は、主に国境での緊張の高まりにより、期待されたほどうまく行かなかった。習近平の訪印が近づくと、人民解放軍の部隊が、実効支配線のインド側に位置するラダックにキャンプを設営し、中印国境の緊張が高まった。モディは、中国側に実効支配線の明確化を要求し、中印首脳会談では経済や貿易などの課題に焦点が当たらなかった。

 インドとの関係強化は、多くの理由から米国にとって利益となる。インドは米国に貿易と投資の機会を提供してくれる新興国であり、アジア太平洋の安定したバランス・オブ・パワーの維持にとって戦略的に重要な国であり、民族的・宗教的に多様な社会で自由を維持するモデルを提供してくれる民主国家である。モディの訪日成功と中印国境での緊張の高まりに象徴される、最近のパワー・ダイナミクスの変化は、米国のアジア回帰戦略においてインドが果たす重要性をよく示している。

 モディ訪米に際し、米国は、以下のことをなすべきである。

・モディが自由主義的政策にコミットし続ける限り、経済的、商業的関係の拡大を強調すること。

・8月のヘーゲル国防長官訪印で宣言されたステップに基づき、戦略的相互理解の下、防衛協力を強調すること。ヘーゲルは、インドの戦略的独自性を尊重する、と言った。両国にとり、それぞれの戦略的文脈を理解することが重要である。

・南アジア、特に、米軍およびNATO軍が縮小しているアフガンにおける対テロ戦略を調整すること。米印は、タリバンがアフガンに戻ってくることを防ぐために協力しなければならない。

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