世界の記述

2015年3月5日

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 2014年7月に1020億円を投じて日本の伊藤忠株を4.7%取得して、筆頭株主となり大きく話題となったタイの食品コングロマリット、チャロン・ポカパン(CP)グループ。この提携についてはCPグループの中国進出意欲が非常に大きく影響している。「円安による日本国内回帰」という名目のもと、脱中国がトレンドの日本とは正反対の動きだ。この逆トレンドを少しご紹介したい。

タイ東部にあるCPの冷凍食品工場(Satoko Mizuno)

 CPグループ創業者の立身出世話はタイ人ならどんな人でも一通り話ができるほど知られている。1920年代に中国から移民してきてバンコクの中華街で野菜の種や苗を売っていた。そこからスタートし、今や世界でも有数の食品コングロマリットになった。傘下内にはセブンイレブンを持ち、リテールチャンネルも自前だ。ちなみにタイのセブンイレブンの店舗数は2014年9月現在でほぼ8000と日本とアメリカに次ぎ世界第3位を誇る。

 中国離れの傾向がある中、敢えてCPグループが中国へ向かうには様々な理由がある。まだまだ人口の多さを見込んで大いなる市場として捉えていること、「移民先で一旗揚げていつかは祖国へ凱旋したい」という気持ちを根底に持ち続けていたこと、華僑ゆえに中国人の文化を理解していることなどだ。中国は「生産拠点および消費市場」として十分戦えると強い意欲を見せている。

 コングロマリットだけあり社内組織はとても緻密に細分化されている。同業種を敢えて複数社に分化しそれぞれが競合相手となる。

 担当レベルでも同じで、例えば工場の生産エンジニアなら、プロジェクトにおいてどの業者からどのような機材を導入し、どれだけロスなく生産したのか。さらに、採用した業者の事後メンテナンスへの対応や、次期プロジェクトへの熱意までも詳細に報告される。それらが数値化され、収益と合わせて評価される。

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