世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年4月3日

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 ワシントンポスト紙のコラムニスト、イグネイシャスが、2月26日付同紙のコラムにおいて、オバマ政権の対エジプト関与政策を歓迎し、米国はエジプトの人権侵害を批判するべきだが、経済、政治、軍事的援助を強化して、同盟国になるべきである、と述べています。

 すなわち、オバマ政権の高官はエジプト関与政策の決定は、「理想主義に対する現実政治の勝利の事例」といったが、正しい政策的選択である。

 確かに、シシ大統領の行動はその決定を難しくさせた。反対派への弾圧は、今やムバラクに匹敵する。ムスリム同胞団に対する取り締まりは、世俗的な活動家を含めるまでに拡大している。

 しかし、スンニ派アラブ世界が、イランとISという二つの地震に揺さぶられている今、エジプトは重要である。オバマ大統領は、エジプトに経済的、政治的、軍事的援助を供与すべきである。エジプトが滑り落ちるリスクの大きさは、責任ある政権であれば無視し得ない。

 強いエジプトを望むのであれば、オバマは、二股をかけるべきではない。エジプト人は、米国が真の同盟国であることを知る必要がある。米国は、人権侵害への批判は続けるべきだが、エジプトの成功を望む友好国としての批判であることを明確にすべきである。

 ケリー国務長官は、経済支援を重視している。エジプト経済は、IMFの予測によれば、GDP成長率は過去4年の平均2%から今年は3.8%に上昇し、徐々に5%に達するであろう。これは良いニュースである。

 エジプトは、軍事援助も望んでおり、ISと戦っている今、その要求には正当性がある。昨年12月の延期の後、議会は、F-16戦闘機、エイブラムズ戦車などの武器のために、13億ドルを出すよう政権に促した。米国により武器と訓練を受けた強力なエジプト軍は、地域の安全保障にとりプラスとなる。

 米国の後押しを受けた強いエジプトは、スンニ派世界のバックボーンを強化し、米国がイランとの新たな同盟を結ぼうとしているとの懸念を和らげ得る。

 エジプトは、過激主義との戦いのイデオロギー的側面においても、ますます重要な役割を果たしている。シシは、イスラム世界を救うための「宗教革命」を提案した。カイロのアズハル大学の大イマーム、Sheikh Ahmed al-Tayebは、イスラム教の「間違った解釈」を正すべく、宗教教育の改革を呼びかけた。

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