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2015年5月27日

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田牧一郎 (たまき・いちろう)

田牧ファームズ代表

1952年福島県郡山市生まれ。田牧ファームズ代表。コメ生産者として郡山市で15年、カリフォルニアで20年、「国際競争力のあるコメつくり」をテーマにコメの生産・販売を行う。2012年からはウルグアイで事業を開始。世界の「おいしいごはん」マーケットに輸出を計画。日本のコメ産業も強くなれるはずと、日本でも試行錯誤中。

 4月になり今年も南半球はコメの収穫時期となり、コメ生産者は販売代金を受け取る時期になりました。しかし、今年のウルグアイのコメ生産者は収穫を手放しでは喜べない年になってしまっています。

 毎年この時期には、買い手である精米業者と生産者団体の間でコメの売買価格の交渉が始まります。生産コストの上昇を理由に値上げを要求する生産者側に対し、国際相場の変動からウルグアイのコメ輸出価格を予測して買い取り価格を提示します。ただ、国際相場の下がりトレンドから、低価格での取引が予想されています。

 ウルグアイで生産されるコメはほぼ100%が長粒種であり、中東・アフリカなどへ生産量の95%以上を輸出しています。中東・アフリカ市場では他のコメ産地も売り込みをしており、競争が激しくなっています。

 こうしたなか、昨年から中東への輸出国に変化が起きました。インドの低価格長粒種の大量輸出があったのです。インド産米は世界一価格が安く、3000万トンともいわれる大量の在庫を持ち、各地へ輸出攻勢をかけています。中東はコメの純輸入国として安定した量を輸入しているため、インドもその低価格という武器で、大量に販売をしかけているようです。

インド・ムンバイのコメ倉庫(Gettyimages/Bloomberg)

 中東に生産量の多くを販売してきたウルグアイのコメ業界にとっては、大きな誤算でした。インドのコメは「価格は低いが品質面ではまだまだ」で、ウルグアイのコメの品質には追い付くことはないと見られていたため、今までウルグアイ米を輸入していた国では、価格差があっても、品質の良いウルグアイ米を輸入すると考えられていました。

 しかし、結果的にはインドの低価格米に負けてしまったのです。中東に限らず、ブラジルへも大量に輸出をしていたウルグアイ米ですが、このお隣のブラジル市場にもインドからのコメが入り、従来のウルグアイ米のシェアを失いつつあります。

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