科学で斬るスポーツ

2015年5月22日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 小学生のこの時期、つまり9~12歳というのは、運動神経を養う「ゴールデンエイジ」と言われる。多くの競技でこの時期の子供をいかに育てるかが重要視されている。

 図1は、スキャモンの成長曲線である。20歳を100とした場合の成熟度をグラフ化したもので、骨や筋肉など発達を示す「一般型」、生殖器の発達を意味する「生殖型」に比べ、運動神経などの「神経型」の成長は9歳~12歳ですでにピークを迎えることが読み取れるだろう。

 この時期に技や、反射神経の基礎を養う重要な理由はここにある。日本卓球協会のシステムは、このゴールデンエイジの子供らの育成に適したと言える。

 日本卓球協会スポーツ医・科学委員会副委員長の吉田和人・静岡大教授は「卓球は、若い時からやっていた方が有利とされるスポーツの一つ。世界トップクラスの選手の多くは、小さい時から競技を始めている」と指摘する。

世界チームランキング女子2位、男子3位

 さらに、2008年からは、文部科学省の支援を受け、JOC(日本オリンピック委員会) を中心とした「JOCエリートアカデミー」という育成プログラムが始まった。小学生時代に有望な成績を残した選手を集め、中学生から高校卒業まで、国立スポーツ科学センター(JISS)に隣接する「味の素ナショナルトレーニングセンター」を拠点に練習し、強化するシステムだ。卓球以外にもレスリング、フェンシングなど4種目がある。

 近くの中学、高校に通いながら、海外で合宿なども積極的に取り入れる。卓球では、現在、平野美宇や石川佳純の妹、梨良ら16人が在籍し、卒業生には今回の世界選手権にも出場した村松雄斗らがいる。

 こうした一連の育成の強化で、着実に日本選手の世界ランキングは上がっている。

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