チャイナ・ウォッチャーの視点

2015年6月3日

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小原凡司 (おはら・ぼんじ)

笹川平和財団特任研究員

1963年生まれ。85年防衛大学校卒業、98年筑波大学大学院修士課程修了。駐中国防衛駐在官(海軍武官)、防衛省海上幕僚監部情報班長、海上自衛隊第21航空隊司令などを歴任。IHS Jane’s、東京財団研究員などを経て現職。

 2015年5月26日、中国国防部が、「2015年国防白書」を発表した。今年発表された国防白書のタイトルは「中国の軍事戦略」である。中国の国防白書は、概ね2年に一度、発表されている。前回、2013年に発表された国防白書のタイトルは「中国武装力量の多様化運用」であった。

 中国国防部は、2013年の国防白書から、テーマ型の国防白書に変更したとしている。テーマ別の国防白書になって2回目となる今年の国防白書のテーマが「中国の軍事戦略」という訳だ。

国防白書を発表するスポークスマン(新華社/アフロ)

 テーマが異なるのだから、当然、内容も異なる。「具体性を特徴とした」と中国国防部が言う2013年国防白書と異なり、2015年国防白書には、具体的なデータは記載されていない。分量も減っている。しかし、何も読み取れないという訳でもない。「2015年国防白書」を見れば、中国人民解放軍が大きな変化を遂げようとしていることが理解できる。

米国一極から多極化へ
自信を見せる中国

 まず、全体から受ける印象として、中国が自信を前面に出そうとしている。これは、これまでに見られなかったことだ。中国の自信は、前言の最初の文章から現れている。2013年の国防白書は、「現在、平和と発展はチャンスと挑戦に面している」という書き出しで始まる。それに比べて、2015年の国防白書は、「現在の世界は未曽有の大変局に面しており、中国は改革発展の鍵となる段階にいる」という文章から始まる。

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