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2015年6月19日

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村中璃子 (むらなか・りこ)

医師・ジャーナリスト

医師・ジャーナリスト。東京都出身。一橋大学社会学部・大学院卒、社会学修士。その後、北海道大学医学部卒。WHO(世界保健機関)の新興・再興感染症対策チーム等を経て、医療・科学ものを中心に執筆中。京都大学大学院医学研究科非常勤講師も務める。

 昨日NHKで放送された、新宿中央公園でのデング熱を運ぶ蚊に関する調査の映像が感染症専門家のSNSサイトで話題になっている。NHKによれば蚊は「8分間立ち続けて蚊を近づける、国立感染症研究所が定めた方法」を用いて、新宿区の職員が採取しているというが、映像に登場する女性は、長袖長ズボンではあるものの頭や顔などは露出した、全身を防護してはいない服装をしている。

画像:istock

 映像を投稿した専門家は「これが、今の『日本』のリスクマネージメントなのですね。まったく『危機意識』が欠如しています。女性職員、何と!無防備で蚊を採取しています。旧帝国陸軍時代と同じで、『身を挺して』なのでしょうか???」とコメント。

 それを見た別の専門家は、「ウイルスがいるかどうかの調査ではなく、ウイルスがいないという前提の調査。いたらどうするのでしょう」「すべてが“やっている”ってのを見せるだけの猿芝居に近いものと言えます。もしウイルスを持っている蚊がいて、その1匹に女性職員が刺されて発症したら、『労災』になるのでしょうか?『自主防衛』とは、『日本人を守る』ことなのですが」などとコメントしている。

 デング熱は蚊が媒介する熱帯感染症。ジャングルで流行するマラリアとは異なり、熱帯地方の都市部で流行する。突然の高熱、頭痛、眼の奥の痛み等の症状に続いて、全身倦怠感や筋肉痛・関節痛が発症。時には「デング出血熱」とよばれるショック状態に至ることもある。

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