WEDGE REPORT

2015年6月26日

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「夢」を見せることができず、否決された大阪都構想。しかし、日本全体にとって欠かせない道州制導入や大都市制度改革の突破口として、大阪都構想の実現は不可欠だ。

 大都市制度の問題を長らく指摘し続けてきた佐々木信夫氏は、大阪都構想に賛意を示し、市の特別顧問として関わってきた。

佐々木信夫(Nobuo Sasaki) 
中央大学経済学部教授 
1948年岩手県出身。早稲田大学大学院政治学研究科修了。法学博士。東京都庁に16年間勤務した後、聖学院大学教授を経て現職。専門は行政学。2012年から15年3月まで大阪市特別顧問。(写真:井上智幸)

編集部(以下、編):住民投票の結果をどう受け止めていますか

佐々木教授(以下、佐々木):賛成票69万4844票、反対票70万5585票。有効投票数の0.76%というわずかな差で、この5年間、橋下徹市長が掲げてきた大阪都構想はストップすることとなった。

 これは、大阪にとっても、日本にとってもマイナスだ。大阪の衰退が東京一極集中を加速させているだけに、日本の今後のかたちを考えても、大阪を都とし、2都体制で日本の分散型国土を形成してほしかった。

編:敗因をどう分析していますか

佐々木:大阪都構想とは、民営化と集権化と分権化。民営化は水道・下水道、地下鉄の民営化ということでわかりやすい。問題は集権化で、集権化した先に何があるのか具体的にイメージしてもらうことができなかった。市を廃し、府に一元化して都とし、ひとつのヘッドクォーターによる広域政策で成長戦略を描いていく。これで大阪の再生を図ろうという夢のあるテーマだったが、「要はカジノぐらいしかない」と受け止められてしまった。

 結果、分権化ばかりに関心が集まり、「敬老パスが打ち切られる」とか「市営住宅に入れなくなる」といったネガティブキャンペーンが広まった。

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