WEDGE REPORT

2015年7月31日

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 「採用選考が解禁される8月1日の土曜日から3日の月曜日までは、学生の『拘束』祭りになりますよ。都内ホテルの1フロアを丸々貸し切って学生を呼ぼうとしているなんて噂も聞きます」(業界関係者)

 2013年6月に発表された日本再興戦略において「学修時間の確保」「留学等の促進」を目的として、16年卒業・修了予定者から就職・採用活動の開始時期変更が盛り込まれた。政府の方針を受けた経団連が選考活動について新しい倫理憲章を策定。3月1日に採用広報解禁、8月1日から選考活動と、就活スケジュールが後ろ倒しされた。取材を進めるうちに見えてきたのは、「長期化」と「学生の二極化」だ。

画像:iStock

内定出しを焦る大企業
学生の定着に不安な中小

 大学3年生の8月からインターンシップに参加し、早期に選考を行う外資系等の面接を受ける。翌年3月から採用広報が開始されて、連日、会社説明会に参加。5月、6月は中小企業の選考を受けながら経団連加盟の大手のエントリーシートを出し、8月を迎える。

 文部科学省が6月25日に発表した「就職・採用活動時期の変更に関する調査」において、「長期化している」と回答する学生は58.5%にのぼった。

 加えて今年は「売り手市場」だ。リクルートワークス研究所発表資料によると、16年3月卒業予定の大卒求人倍率は前年の1.61倍から0.12ポイント上昇した1.73倍。大中小問わず、人材の奪い合いは激化している。

 遅れて出てくる大手企業は焦る。「2万人級の企業でリクルーター、面接官を増やすため、450人相手の研修を行ったところがある。大手商社のなかには8月1日~3日まで1次面接から最終面接を行って、学生を囲い込もうとしている企業もある」と企業の採用支援を行うキーカンパニーの下薗博康代表取締役は語る。リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長も、「8月以降、採用人数の多い企業のなかには、例年3回行っていた面接を1回に減らすなど、内定までの時間短縮をはかる企業もある」と言う。

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