世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年10月9日

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 ワシントンポスト紙のコラムニスト、イグネイシャスが、9月8日付同紙掲載のコラムにて、先般のサウジ国王の訪米の際、息子で副皇太子のムハンマド・ビン・サルマン国防大臣を帯同したことで、ムハンマド・ビン・サルマンが皇太子のムハンマド・ビン・ナイフを飛び越えて次の国王になる、との観測を示しています。

9月4日、ワシントンにてオバマ大統領と会談したサルマン国王(画像:Getty Images News)

 すなわち、米・サウジ首脳会談で両国の戦略的パートナーシップが議論された際、ムハンマド・ビン・サルマンは戦略的パートナーシップに関するサウジの考えを説明した。

 米政府は最近ムハンマド・ビン・サルマンが積極的政策を推進していることに留意している。サルマン国王とムハンマド・ビン・サルマンは、6月のサンクトペテルブルグで開催された国際経済フォーラムに数名の閣僚を含む大型代表団を派遣するなど、ロシアとの対話を広げている。ムハンマド・ビン・サルマンは興味深いことに、たぶんロシアの仲介のもとに、7月下旬アサドの情報顧問のAli Mamloukと会い、イランがシリアから手を引けばアサドが残ってもいいとの考えを述べた。これは公式のサウジの政策と大きくかけ離れるものであり、シリアでのイランの影響力を減らすために何を代価として払うかを示すものである。

 ムハンマド・ビン・サルマンが次期国王になる可能性が高いので、米国はムハンマド・ビン・サルマンとの関係を築くべきであるとの意見がある一方で、米国は他国の継承政策、特にわからないことの多いサウジの継承政策からは遠ざかるべきであるとの見解もある。

 米・サウジ首脳会談後に発表された共同声明では、両国のゆるぎない関係が賞賛されたが、米国は不透明なサウジ王国の最近の展開を思いあぐねている、と指摘しています。

出典:David Ignatius,‘The son who would be the Saudis’ king?’(Washington Post, September 8, 2015)
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-son-who-would-be-the-saudis-king/2015/09/08/06e94328-566c-11e5-8bb1-b488d231bba2_story.html

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 確かにムハンマド・ビン・サルマンは注目に値する人物です。弱冠30歳で副皇太子に任命され、国防大臣としてイエメン爆撃の主導権を取るなど、軍事、外交面で活躍しています。

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